TOPCON CLUB (トプコンクラブ)

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 トプコールのページ 8
 TOPCOR LENSES No.8

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中判レンズ、大判レンズ等
Medium and Large format Lenses, etc.
Special thanks for Mr. Roger Kennedy

中判用トプコールレンズ
TOPCOR LENSES for Midiam Format Cameras
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 これらは標準設定のプロフェッショナルトプコール105mm f3.5を除いた、現在私が所有するホースマン用のトプコールレンズである。上段左からスーパートプコール65mm f7、同90mm f5.6、トプコールP.T 180mm f5.6。下段は左からスーパートプコール105mm f4.5、同150mm f5.6である。この他にプロフェッショナルトプコール75mmとスーパートプコール120mmが存在する。スーパートプコールはイメージサークルが広く、4×5までカバーするため、かなりアオリの際に有効である。プロフェッショナルトプコールは4×5はカバーしないが、それなりにアオリには対応してくれる。どのレンズも定評ある、優れたレンズである。
These are midiam format lenses for the HORSEMAN camera. From the upper row left, there are SUPER TOPCOR 65mm f7 90mm f5.6, and TOPCOR P.T 180mm f5.6. From the lower left, there are SUPER TOPCOR 105mm f5.6 150mm f5.6. Since the image circle is large, SUPER TOPCOR LENS also covers 4x5 size.

トプコール8cm f5.6
TOPCOR 8cm f5.6
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 ちょっとゴチャゴチャした画像であるが、トプコール8cmは左に見えるものである。このレンズは53年のトプコン35Aの交換レンズとしてデビューし、55年の35Bにも使えるようになっている。5枚構成で、作りが非常にしっかりしている。手前中央に見えるのはレンズフードで、レオタックス用トプコールのフードにも見られたカブセ式で、やはり前後がネジで連結され、間にフィルターが収められるようになっている。レンズのケースは金属製のしっかりした作りで、面白いことに裏側にもネジが切ってあり、カメラの右前に見えるケースが取り付けられる。ここには8cm専用のビューファインダーが固定されていて、これを外して用いる。ピント合わせは35Aでは目測、35Bの場合はあらかじめカメラの巻き戻しノブの基部にあるダイアルが8cm専用の距離計ヘリコイドで、ここで合わせた数値をレンズのヘリコイドのものへ合わせる。
This lens is TOPCOR 8cm f5.6 for Topcon 35A & 35B. This lens was manufactured from '53 through '55. The lens constitution is 3groups 5lenses. In the case that we use this lens in Topcon35A, need the exclusive use finder. The Topcon 35B has equipped with the other focusing ring for the 8cm lens.

トーコー7.5cm f4.5 & Eトーコー7.5cm f3.5新旧
TOKO 7.5cm f4.5 & E TOKO 7.5cm f3.5 Old / New
Special thanks for Mr. Makura

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 これらはとても珍しい引き伸ばし機用レンズであるが、左のトーコーは40年代から50年代前半の、中央のEトーコーはトプコン35Sの頃の総合カタログに見られるように、50年代の半ばから後半に売られていたものである。右のものはその鏡胴を手直ししたタイプ。詳しいことは不明であるが、この頃に「E トプコール5cm f3.5」も並行して売られていた。E トーコーの方は恐らくプリモフレックスなどと光学設計の共通のレンズであると思われるが、トプコール名が使われていないところを見ると、どうやら三群三枚のトリプレットタイプのものであろう。
These are the very rare lenses for the enlargement that TOPCON had launched in the 50's. Probably these lenses are triplet type. The left side is the TOKO 7.5cm f4.5 in the former half of 50's. The middle and the right side are both E TOKO 7.5cm f3.5 in the latter half of 50's. Also, TOPCON was releasing even "E Topcor 5cm f3.5" at that time.

シムラー21cm f4.5
SIMLAR 21cm f4.5
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 いつ頃作られていたのか確かなことは分からないが、東京光学製の大判カメラ用のレンズのようである。さすがに私もこうしたレンズの資料はほとんど手元にないので、何ともコメントしようもないが、作りは戦前のもののような印象である。『クラシックカメラ専科15号』の記事にわずかに紹介されていて、それによるとシムラー18cm f4.5も存在していたようだ。戦時中の5cm f0.7のレンズの画像を見る限り、その18cmレンズに鏡胴回りが似ていたので、東京光学最初期レンズなのだろう。絞りは付いているが、シャッターはないので(もちろんヘリコイドも)、現在の大判カメラには使えない。その後分かったことであるが、どうやら当時の航空写真機に用いられたものらしい。
This seems to be the lens for the large format camera made by the Tokyo Opt Co. I do not understand correctly when this lens was made. The structure is an impression like the lens of prewar days. Simlar 18cm f4.5 and 5cm f0.7 lenses were also produced apart from this lens. The diaphragm is attached, but the shutter is not attached.

テレ・シムラー40cm f5
TELE-SIMLAR 40cm f5
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 最初期の東京光学製の大判カメラ用レンズであり、これもまた軍事関連の航空写真機用のもの。面白いことに、スプリングで開くようになっている裏蓋が付いており、それを閉めるのはベベルギアで連結されたダイアルで、やはり裏側に付いている。また、同じようなダイアルが見られ、これを回すと絞りが閉じるようになっているが、絞り値は表示されていない。コーティングも皆無で、まさに大きな素レンズの塊といった感じである。口径は80mm近くある。
 このレンズの総数は極めて少ないが、肝腎の本体がないとそのままでは全く使えない。一体どういう写りを見せてくれるのか、非常に興味深い。
This is the lens for the large format camera made by the early Tokyo Opt Co. too. The back cover is kept to this lens from the beginning. It is opened and closed with a gear. I do not know to what kind of camera this lens was spent.

トプコールコンバージョンセット
TOPCOR conversion set
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 アメリカの友人から送られてきた不思議なレンズで、コダックの8mmカメラである“ブローニー”用のコンバージョンレンズである。口径は約3cm、マウントは約2cm程度のネジ式。カメラのレンズは奥まっているが、フードに直に取り付けることができる。
 左のオレンジ色のキャップが付いたものには「TOPCOR TELEPHOTO for Brownie」と彫り込まれていて、右の緑色のキャップのものには「TOPCOR WIDE-ANGLE for Brownie」となっている。カメラのファインダーにもオレンジと緑の枠が見られ、初めからこれに合わせて設計されていたことが分かる。豪華な作りの化粧箱に入っているのも不思議だが、かなり古いものと思われるのにトプコール名である点も不思議である。送ってくれた友人の話だと1951年にアメリカに入ってきたものであると言う。ちなみに、この後でコダックはレンズがターレット式になったモデルを出したが、そのタイプにはここで紹介するトプコールとは異なるコダック製のレンズが付いている。
This is the mysterious lens that this was delivered from my friend of America. These lenses were used for KODAK 8mm camera named "BROWNIE". Lens mount is the screw type about 2cm and the aperture is about 3cm. Left lens is engraved "TOPCOR TELEPHOTO for Brownie", and right is cut "TOPCOR WIDE-ANGLE for Brownie". These are included in the gift box of gorgeous make. These lenses are named "TOPCOR", but it is fairly old. The friend who sent this says "this is made in 1951".

トーコー645mm f11望遠鏡
TOKO Telescope 645mm f11
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 東京光学製の望遠鏡と撮影用レフボックスのセットで、50年代に作られたものらしい。そのカラーリングからみて、軍関係(陸上自衛隊?)に納入されたことは間違いなさそうである。全長は81cmで、かなり頑丈な作りのために重量も約3kgもある。
 ピントの調整はいかにも望遠鏡らしく、筒の後端のノブを回転し前後させて行うようになっている。
 これに対してレンズの口径はかなり小さく、6cm程度のレンズが付いている。レンズそのものは一群二枚の単純なテレレンズで、筒の先端に納まる。ただし、この部分が取り外せるので、ひょっとすると別のレンズと交換できるのかもしれない。
 レフボックスの方はマウントがL39と同じで、明らかに当時のライカマウントのレンジファインダーカメラに装着できるようにしたものである。しかし、このレフボックスにビゾフレックス用のレンズを装着しても、フランジバックの関係から無限遠は出ない。一般のレンズを装着した場合は接写に用いる以外に道はなさそうである。ちなみに、かなりの長玉用のものなので、ミラーも面積の広いものを使っていて、結果としてビゾフレックスよりもミラーボックスの容積が大きくなり、フランジバックも当然異なってくる訳である。ミラーを下げる時は正面から見て左側面のレバーを使い、上げる時は反対側の上面に付いているボタンを押すと瞬時にミラーがたたまれる。Wレリーズを用いてカメラとともに連結して用いれば良い。
 このレンズで一般撮影を行なうと、前玉の小ささから四隅までカバーされておらず、全体をしっかりプリントさせるには多少のトリミングを余儀なくされる。その場合の焦点距離は800mmくらいに見えるだろう。実際に使ってみるとこれがなかなか細かいところまでシャープに良く写る。
This is the TOKO telescope 645mm f11 that it was made in the 50's. This keeps Refbox of the exclusive use. It has L39 mount and was spent on Leotax Camera etc. The overall length is 810mm, the aperture is 60mm and the weight is 3kg. I think that this lens is a item for military use.

シムラー5cm f0.7
Simlar 5cm f0.7
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 第二次世界大戦中、光学兵器を生産していた東京光学では、トーコー5cm f0.7を試作していたが、戦後の51年にそれを改めて設計し直して、この世界一明るいシムラーレンズが出来上がった。設計は当時名うてのレンズ設計者であった丸山修治氏によるもので、様々な優秀レンズを設計した方である。このレンズが発表された際、新聞にまで採り上げられた事実があるように、日本の光学技術の粋を尽くしたような当時の話題のレンズであった。
 ところで、このレンズは一般のf1.4の4倍の明るさがあり、究極の標準レンズとも言えるが、残念ながら量産には至らず、たった3本が作られたのみであった。そのうち2本は毎日新聞社の南極探検隊用に納入されたとのことであるが、その後どうなったことだろうか。
 レンズは8枚構成であると言う以外、細かなデータがないので具体的には分からない。設計から完成まで約3年もかかったと言うが、やはり生産コスト上の問題から販売には至らなかったのだろう。ただし、こうした発想からRトプコール30cm f2.8や13.5cm f2などの高速レンズが生まれたのは想像に難くない。
During the Second World War, TOKYO OPTICAL experimentally produced TOKO5cmf0.7. In 1951, they designs it again, this most bright lens in the world was completed. This lens was designed by Mr. Shuji Maruyama who are the famous designer at that time. He moved to Norita Kogaku at the later time and designed various excellent lenses. By the way, this lens was not mass-produced regretfully and was made only 3 pieces. These 2 pieces were delivered to the South Pole expedition party of the Mainichi Newspapers.

 以上が私の現在所有する範囲内(一部書籍からのコピーあり)でのトプコールについての簡単な説明であるが、ちょっと十羽一からげ的になってしまった点はお許し頂きたい。また、エキザクタマウント(REマウント)のトプコールだけを取ってみても、まだまだ細かいバージョンの違いまでは完璧に押さえてはいないので、このレンズのことが知りたい、あのレンズの情報が欲しいと思っても、その期待にお応えできなかったかもしれない。この点については今後の課題とさせて頂きたい。

 私にとって以前から最も気になっているレンズはAMトプコール35mmである。同じ設計のREトプコールN 35mmがあるのだから、当然AMトプコールとしてKマウント化されたのは想像に難くないが、どう言う訳か未だに出合うことができないままである。純トプコール製ではない最後期のトプコールレンズは、古くからのトプコンユーザーからは軽んじられ、カメラ店での買い取り価格もかなり低く査定されがちだが、かつてはほとんど表に現れなかったで、手に入れる手立てが国内では皆無の状態に近かった。ただ、このところ海外から里帰りしたトプコン/トプコールが多く、そこそこ国内でも見かけるようになってきたのは良い傾向である。それに、海外ではまだそれなりに出てくるようで、eBayなどのネットオークションでまめに探していれば、近い将来手に入れることはできるだろう。あせらず、のんびりと探して行きたいと思う。

 レンジファインダー用のトプコールに限らず、このところのトプコールの値段はちょっと高い感じがする。物によりけりであるが、ニッコールの同レベルのレンズと比較して、ほぼ同じ程度であって欲しい。35mmや135mmは品数が豊富なため安いが、その他のレンズは全般的に高めな感じで取引されているように思える。特に、2013年からSONYからフルサイズ受光素子を採用したミラーレス一眼のα7が登場すると、様々なレンズマウントのアダプターが登場し、オールドレンズをデジタル撮影する幅が一気に広がったせいか、一時期フィルムカメラ用レンズが大きく値下がりしたのに、今では再び値段が上昇してきている。
 そうした中で私がお勧めするレンズは広角はREオートトプコール28mm、望遠は同87〜205mmのズームである。この二つは価格もそう高価ではなく、性能面でも決して悪くないので、最低限に広角と望遠を揃えるならイチオシである。価格はどちらも2-3万円台といったところ。ズームは当時定価が6万6千円もしたのだから、そう考えるとお買い得であるが、望遠ズームはどのメーカーのものもおおよそ格安で手に入る傾向にある。数の多い他社の同域のズームレンズに比べれば、圧倒的に数の少ないトプコールは割高に感じるかもしれない。また、意外とトプコールの愛好家はこのレンズを好まないようだが、「レンズ白書」などの影響が強いのか、はたまたSUNレンズと同設計の製品であるからなのかは不明である。しかし、実際に私が使った感じではかなり便利なレンズである。シャープさという点では単焦点レンズに及ばないかもしれないが、それは四つ切以上に引き伸ばして見ないと分からない。それより、トプコール特有の立体感、階調の豊かさはこのレンズにもしっかりと受け継がれている(
トプコンよもやま話10のページにテストレポートあり)。損することはないだろう。
 これに対し、28mmの方は一部の店では以前は結構高目に値段が設定されているようだが、25mmと同じような値段だったら手を出さないのが無難。他の店やオークションをじっくりと探し、3万円程度のものが出てくるのを待った方が良さそうである。ただし、28mmはフード付きのものを探すこと。28mmレンズ専用のバヨネットフードは、なかなか単体では出てこない(35mm、58mm、100mm用はたまに見かける)。28mmが少なめといっても、20mmのように極端に少ない訳ではない。もしなかなか出てこなかったら、比較的良く見かける25mmを買うことをお勧めする。25mmの描写はトプコール中でも随一なのだが、フード・専用フィルターセット付きだと結構高くなる可能性があるものの、単体では2万円そこそこでも見かける場合がある。もし、格安な25mmが出てきたなら、28mmよりこちらを購入した方が一層楽しめるだろう。
 ユニ〜IC-1ユーザーの場合はUVトプコール28mmと同135mm後期型がお勧め。どちらもショップで1.5万円くらいで売られていて、ネットオークションなら数千円程度で落とせることもある。ただし、オークションではカビやコーティングに問題のあるものも多いので要注意。UVの28mmは若干緑がかった色合いだが、かなりメリハリのある押しの強い描写が魅力で、後期135mmはとても繊細でシャープなレンズである。
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 Lマウントのトプコールでお勧めなのはトプコール5cm f1.5だが、元々高価で数が少ない上、優れたレンズとして認識されていた50年代の東京光学のフラッグシップ的なレンズだけに、以前から中古相場は高く、トプコンファンでなくてもライカ等のレンジファインダーカメラの愛好家にも意識されるため、今後も値崩れはしないだろう。かえって値が上がる傾向が見られるが、何しろ売りに出ることが希なので、現実的に言うならやはりトプコールS 5cm f2の白鏡胴かアルミの黒鏡胴になるだろう。白鏡胴は比較的数が多く、黒鏡胴は値段が安めで、オールドレンズが人気な今現在でもそう高価ではない。写りは当時「ズミクロンを超えた」とさえ言われた実力のレンズなので、充分期待に応えてくれるものと思われる。(2015年現在)

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