TOPCON CLUB (トプコンクラブ)

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 トプコールのページ 6
 TOPCOR LENSES No.6

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Lマウントトプコールレンズ
L mount Topcor lenses - Special thanks for Mr.Suzuki

各種Lマウントトプコール標準レンズ

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 上段左からトプコールS-5cm f2初期型白鏡胴レンズ、同中期型白鏡胴黒絞りリング付きモデル、トプコール5cm f2.8、トプコールS-5cm f2後期型黒鏡胴レンズ、トプコール5cm f1.8。下段左からトプコール5cm f3.5前期型沈胴モデル、トプコールK-5cm f3.5固定鏡胴前期モデル、トプコールF-5cm f3.5後期型沈胴モデル、トプコール5cm f1.5、トプコール5cm f2。この他にトプコールK-5cm f3.5後期型固定鏡胴がある。どれも主にレオタックス用に作られていたが、現在ではそのボディは軽んじられ、トプコールのみが高価に取り引きされている。写りはさすがにどれも一級品。特にf2のモデルは秀逸で、昔から高く評価されていた。ただシャープなばかりではなく、微妙なトーンを再現してくれて、質感の豊かな描写を見せる。
 f2の全レンズとf1.8は、レンズの基本設計は変わらないものと思っていたが、こうして並べてみるとどれ一つとして同じものがないのには驚いた。その違いを以下に列挙してみる。
1.前玉の口径〜初期トプコールf2、トプコールS前期白鏡胴、トプコールS中期白鏡胴黒絞り、トプコールS後期黒鏡胴は同じだが、トプコール5cm f1.8はそれらより明らかに大きい。ただし、ネームプレートのリングの太さを変えてf1.8の前玉の周辺部を隠しているのがf2黒鏡胴のようにも見えるが、その曲面の曲率は明らかに異なる。f2の方が曲がりがきつく、f1.8の方が全体として前面にせり出している。
2.鏡胴の口径〜初期トプコールf2、トプコールS前期白鏡胴、トプコールS中期白鏡胴黒絞りは同じ。トプコールS後期黒鏡胴とf1.8は同じ。
3.前後長〜初期トプコールf2のみ短い。後は同じ。
4.開放絞りの状態〜初期トプコールは絞りがほぼ完全にたたまれ、トプコールS白鏡胴はそれに準ずる。トプコールS中期白鏡胴黒絞りは若干絞りが残り、トプコールS後期黒鏡胴はかなり残って見える。f1.8はトプコールS後期黒鏡胴と同じ感じでやはりそこそこ絞りが残る。
 こうしてみると、形は大雑把に言って白鏡胴か黒鏡胴かに分かれるが、実のところどれ一つとして同じ設計のレンズはないのである。
The upper row is the image which arranged TOPCOR-S 5cm f2 first model, TOPCOR-S 5cm f2 middle model, TOPCOR 5cm f2.8, TOPCOR-S 5cm f2 latter model TOPCOR 5cm f1.8. Although we understand that the composition of these TOPCOR 5cm f2 lenses are the same, in fact, designs differ altogether.
Lenses of the lower images are TOPCOR 5cm f3.5 Elmar type, TOPCOR-K 5cm f3.5 fixed, TOPCOR-F 5cm f3.5, TOPCOR 5cm f1.5, and TOPCOR 5cm f2.
There is an another lens besides these, it is the TOPCOR-K 5cm f3.5 fixed‐later version type.

トプコール5cm f3.5
Topcor 5cm f3.5
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 左のレンズはレオタックスTやFに標準装備されていた沈胴式トプコール50cm f3.5で、1955年のもの。すぐ後で出た絞りリングが外に付いたものは別設計。
 これに対し、右のレンズは固定鏡胴の前期トプコールK-5cm f3.5で、これも後期のものとは設計が異なる。鏡胴のデザインは変わらないが、意外なところが異なり、この前期型は前玉を押さえるリングにネームが刻まれていて、すぐその外側に小さなフィルター用の溝が掘られている。後期型はこれがなく、外側のフィルター用の溝のすぐ内側にプリントされた薄いアルミ板のネームプレートが接着されていた。作りは一歩後退していた訳だが、写りは向上したようだ。
 この二つレンズは、それぞれレンズ構成は同じシムラーの流れを汲むエルマー型のものである。よって後期のテッサー型と異なり、絞りは1枚目のレンズの直後に付き、絞り自体もf16までに設定されている。ただし、レンズコーティングはシムラーとは異なり、後のレンズとほぼ同じマゼンタ・ブルー系のものが使われている。しかし、この両者でもその色は若干異なり、固定鏡胴の方がブルーが強い。
 生産本数はこれらの前期モデルの方が後期モデルよりも少ないそうだが、不思議なことに沈胴式の場合はこの前期型の方が市場に現れる機会が多いように思える。固定鏡胴の場合は後期型の方が良く見られる。
These lenses are model of the Elmar type put on the market in 1955. The Simlar 5cm f3.5 was before these, it is the same lens as fundamentally as these lenses. The TOPCOR 5cm f3.5 - later version is the Tesser type lens.

トプコール5cm f1.5
Topcor 5cm f1.5
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 レオタックスFの標準レンズとして全トプコール中で最も高価だったレンズ。当時の『写真サロン』でそれまでのシムラー5cm f1.5を設計変更して新たに作られたことが紹介されている。シムラーと大きく異なるのは4枚目の玉で、これがトプコールでは小さいものになっている。しかし、前半がゾナー型、後半がガウス型を用いた独自のレンズであることに変わりはない。ここをクリック!
 テストでも良好のデータが残っている。ただし、絞り値によって焦点移動がわずかに起こるようだ。当時から東京光学では画像の中心を最良にする思想ではなく、全体で最良になる発想でレンズ設計を行なっていて、ともするとこれが単純な平面チャートでのテストではその実力を発揮し切れないものになりかねなかった。
 実際に使ってみると開放からフレアの少ないシャープなレンズである。コントラストもしっかりしていて、この点ではREオートトプコール5.8cm f1.4も及ばないだろう。やはり一眼レフ用レンズと異なり、設計に無理がなかったのかもしれないが、ライツのズマリットではかなり開放がキツかったことを思えば、やはりこのトプコールは優秀なレンズであったと言えよう。
This lens was most expensive in during the standard lens of Leotax F. As for the constitution, the first group is a Sonnar type and the later group is a Gauss type. This is the lens that improved f1.5 5 cm Simlar, and it was offered for sale in '55. Besides Topcon made Topcor 5cm f1.4, but it was not sold.

トプコール5cm f3.5
Topcor 5cm f3.5
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 1955年半ばに登場した後期型沈胴式5cm f3.5レンズで、レオタックスFまたはTの標準レンズとしてデビューしてしばらく売られていた。前記沈胴の初期型はテッサーの基本構成を崩して絞りを前玉の直後に置いた、いわゆるエルマータイプであるが、このレンズから純然たるテッサー型になり、絞りは二枚目の後ろに置かれた。絞りの調整は外に設けられたリングを回すタイプのものに変更され、f16までだった最小絞りもf22までになった。引き出した鏡胴の固定も前のモデルよりしっかりしたパーツが使われ、この点でも向上している。なお、レオタックスK用の固定鏡胴のレンズも光学系はこれと同じである。
 以前『クラシックカメラ専科』で、ある方が国産沈胴レンズ数種の実力を実写でテストされていたが、そこではNo.1の描写力を見せていたのがこのレンズであった。実際、どの方に伺ってもこのレンズは高く評価されるように、解像力・コントラストともに非常に優れたものを持つ。私も全てのLマウントトプコール5cmの実写テストを行なってみたが、そこでも良好な画像が得られた。ここをクリック!
This lens is the latter period lens of 5cm f3.5 that appeared on the stage in 1955. This came out as the standard lens of the Leotax F or T, and was sold for a while. Although the early period lens of the above-mentioned is the Elmar type, this lens became pure Tesser type. The minimum diaphragm became to f22.

トプコール5cm f2 トプコールS 5cm f2
Topcor5cm f2 LENSES
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 左はレオタックスFの時代の後期に登場した、5cm f2レンズの最初期のもの。前玉レンズを押さえるネームプレートリングの字体を見ると、いかにも古い感じがする。このレンズの特徴は、ズミクロンと同様に空気レンズが使われている点である(このレンズは後群に隙間を空けている)。実はトプコン35S用の4.4cm f2のレンズと基本的に設計は同じものである。
 右は少しして出たトプコールS 5cm f2で、一般に言われるトプコールのf2はこれを指すほど広く知られたレンズである。この二本のレンズは設計のみならすコーティングも異なり、初期のモデルはアンバー系、Sレンズはマゼンタ系が強い。なお、初期モデルはとても短期間しか生産されなかったようで、その本数も少ないようだ。
 どちらのレンズも写りは優秀であるが、特にトプコールSの方は現代のレンズにも負けないコントラストと発色の鮮やかさを誇る。当時カラーフィルムを視野に入れて設計していたかどうかは不明であるが、現代のフィルムとの相性は良いので、暖色系ではあるが、極端に黄色味がかったりすることはない。
The left is TOPCOR 5cm f2 which was equipped with the last model of Leotax F, and the right is TOPCOR-S 5cm f2 lens which was equipped with Leotax TV etc. Although these are alike, designs differ. The Topcor 5cm f2 was used to the Topcon 35S.

トプコールS 5cm f2 中期型レンズ
Topcor S 5cm f2
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 これはレオタックスTVやFVの頃に作られた、真鍮製鏡胴の最後のf2レンズである。前記のトプコール白鏡胴レンズの絞りリングと距離目盛りの部分が黒くなっただけのようであるが、実は光学系も見直されたらしく、開放絞りでも若干絞りが残るようになった。これは何らかの部分が改善され、光の透過率が高くなって開放値が明るくなったため、少し絞りを残す形で開放値をf2に調節したものと思われる。レンズのコーティングはマゼンタ・ブルー系で変更はない。
 右は13.5cm用の純正外付けファインダーで、5cm・9cm・13.5cmの三つのブライトフレームが同時に見える。パララックスの補正機構も当然備えているが、作りは今ひとつ安っぽい感じが残る。元箱やカタログにはトプコ・ブリリアントファインダーと記載されている。
 ところで、このレンズはLマウントトプコールの標準レンズの中で最も優れた描写を見せる。さすがに改良版であるため、良いのは当然かもしれないが、私がチェックした限りでは、この後の黒鏡胴のものよりも発色がニュートラルでなおかつ立体的描写も優れていた。お勧めのレンズである。
This is the TOPCOR-S 5cm f2 middle type, and was equipped standardly with the Leotax FV. This lens differed from the model of the first half too.

トプコールS 5cm f2 後期型 トプコール5cm f1.8
Topcor S 5cm f2 & Topcor 5cm f1.8
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 左はレオタックスFV〜メリットの時代のトプコールS 5cm f2で、黒鏡胴のもの。このレンズからf2レンズも全体的にアルミ鏡胴化され、それまでの真鍮製レンズとは一線を画す。ただし、固定鏡胴のトプコール5cm f3.5や9cm f3.5などはこれより前からアルミ鏡胴を採用していた。
 右はレオタックスGの時代の5cm f1.8レンズで、f2レンズを設計変更したもの。一見両者は同じように見えるが、前玉の形が異なり、全く違うものである。どうやらガラスの材質も異なり、1.8の方がクモリを発生しやすいようで、完璧な状態で現存するものが少ないらしい。その描写はさすがに最後のLマウント・トプコールだけあって、発色がニュートラルで、開放絞りから良く写る優れたものがある。

 ところで、これらの最後期のレンジファインダー用トプコールレンズは、アルミ鏡胴を使った少々安っぽい印象から、Lマウントレンズファンからはあまり好まれないようだが、写りはさすがに最後のものだけに目を見張るものがある。f1.8は極端に少ないのでともかく、f2の方はその他のトプコールf2レンズ中、最も多く見かけ、なおかつ安価である。と言っても、必ずしもその絶対数は多くはない。
 トプコールS 5cm f1.8は61年のレオタックスGの新製品レポートに標準レンズとして掲載されているが、レオタックス倒産直前の59年半ばの広告には見られないレンズなので、倒産後からレオタックスGの完成までの2年間に完成したレンズであると考えるのが妥当である。ただし、レオタックスはG型を59年10月に販売する予定だったので、それに合わせて東京光学もこのレンズを開発していたであろうから、倒産直後には既に完成していたものと思われる。レオタックスGの生産台数が約1000台と言われ、その中にはレオノン付きも存在することを併せて考慮すると、トプコールS 5cm f1.8が極端に少ないのも頷ける。空白の2年の間には、東京光学が単独でレオタックスに納入予定だった生産済みレンズを販売していた可能性もあるが、時期的にみてメリット/エリートに付けて売られていた可能性はまずないだろう。
The left side lens is the latter version of the TOPCOR-S 5cm f2, and the right side is the TOPCOR 5cm f1.8. The Leotax Elite was equipped with TOPCOR-S 5cm f2, and Leotax G was equipped with TOPCOR 5cm f1.8. Although these are also alike, these are lenses which designs differ.

シムラー 5cm f1.5 シムラー 5cm f3.5
Simlar 5cm f1.5 Simlar 5cm f3.5
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 戦後になって、ステート5cm f3.5でレオタックス用レンズを供給し始めた東京光学は、スペシャルDIIIの頃から名前をシムラーに変更した。この名は東京光学が工場を構えている板橋区蓮沼町の周辺の地名である「志村」に由来する。
 f3.5はエルマー型の4枚玉で、基本的にステートと変わらず、上記トプコール5cm f3.5前期型とも同じものである。f1.5はDIVの頃の標準レンズで、レオタックスFの前期(54年)まで作られた。前半がガウス型、後半がゾナー型であるのはトプコールと同様であるが、設計そのものは両者間で何ら同じところは見られない。このレンズもいくつかのバリエーションがあって、先端の絞りリングの滑り止め部分が写真のもののように2段になっているものの他に、1段だけのものやトプコールのように後ろに下がったものなどが見られる。
 シムラーの名は、戦前から東京光学で使われていた由緒正しいレンズ名であるが、50年代後半になるとトプコール名が幅を利かせ、二眼レフのプリモフレックス・オートマットでさえもトーコー/シムラーの名を止め、トプコール名になった。この、いかにも日本的なシムラーの名を最後に付けられたのは、皮肉にもトプコン名を持たない輸出専用のOEM機であるDeJUR DEKON SR(トプコンPR2の輸出機)だった。
After the WWII, the Tokyo Opt Co. they began to supply the lens for Leotax cameras with the State 5cm f3.5, changed the name of the lens to "Simlar" from the time when the Leotax Special DIII was produced. This name is derived from "Shimura" where Tokyo Opt Co. is the address of the periphery of the Itabashi-ku Hasunuma-town that the factory was built.
The Simlar 5cm f3.5 is the Elmar type and the Simlar 5cm f1.5 is the type that made a compromisethe Sonnar type with Gauss type.

トプコール 5cm f2.8
Topcor 5cm f2.8
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 こちらはレオタックスT2の頃に作られた唯一のf2.8レンズ。Fの末期にもこのレンズが選択できた。f2に比べ明らかに一回り細く、固定鏡胴の5cm f3.5をちょっとだけ高級に仕上げたようなデザインである。レンズはヘリアー型の3群5枚構成で、前玉が二枚の貼り合わせになっている。生産本数はさほど多くはないようだ。レンズフードは見事なアイデアのパテントが使われ、ワンタッチでレンズカバーになるとともに、フィルターもキャップもフードを取り付けたまま装着できる。
 このレンズの描写性能は充分な性能を持つが、かと言ってf2のレンズのような繊細で優れたコントラスト(ただ高コントラストではない)を持つものとは言い難い。どちらかと言えばクセがない代わりに、これと言って強い個性も感じられない、そこそこのレンズと言った印象である。なお、トプコン35JLの標準レンズにも応用されたというが、設計そのものは別のもので、一見すると随分異なった印象である。
This lens is TOPCOR 5cm f2.8 which was equipped standardly with Leotax T2. The lens Hood made from the good idea. There are lenses of a very few production number. This lens was used to the Topcon 35JL too.

トプコール 3.5cm f2.8
Topcor 3.5cm f2.8
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 Lマウントのトプコールにはあまり交換レンズが用意されなかったが、このレンズは唯一の広角レンズの3.5cm f2.8である。ファインダーはご覧の通り実に巨大で、何と等倍のブライトフレームを持つもので、こちらも元箱にトプコ・ブリリアントファインダーと記載されている。
 鏡胴の材質はまだ真鍮であるが、ほぼ同時期に出た後述する9cmレンズはアルミ鏡胴であったのはその大きさの違いによるものだろうか。フィルター径は40.5mmで5cm f2などと共通であるが、面白いことにその内側にもフィルターネジが刻まれており、こちらには5cm f3.5などと同じ34mm径のフィルターが取り付けられる。広角ゆえ私は外側の方を使っているが、こちらは絞りとともにフィルターが回転して、内側のフィルターネジが出っ張っているためフィルターそのものを傷付ける恐れがある。
 このレンズはレオタックスFの時代には既に売られていたが、SHOWA OPTICAL CO.からLEOTAX CAMERA CO.になった後の1955年頃に出たレンズである。
 それにしても不思議と市場に出回らなかったのか、現在探そうとしてもなかなか見付からない。よって、幸運なことにこのレンズを見かけたとしても、結構高価になっている場合が多いようだ。なお、このレンズはマミヤ35ワイド用にも供給された。
This is the wide angle lens only in L mount TOPCOR lenses. The exclusive use finder is very large sise, The magnification of this finder is 1:1. This lens was supplied for the Mamiya 35.

トプコール9cm f3.5
Topcor 9cm f3.5
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 この写真は9cm f3.5で、デザイン的に見てもレオタックスKの固定鏡胴5cm f3.5と同じ頃作られたものであろう。56年の雑誌には既に13.5cmとともに紹介されていた。鏡胴設計はREスーパーを生み出した河瀬澄之介先生で、当時他社に先駆けて初めてアルコア社のアルミ鏡胴のレンズを設計されたことが『クラッシックカメラ専科』No.45に紹介されている。実際とても軽いレンズで、使い勝手は悪くないが、唯一気になるのはヘリコイドと共に先端の絞りのリングも回ってしまう点である。その対策としてリングの上と下に絞り値が刻まれている。
 下の写真をご覧頂ければ分かるが、前期のものと後期のものとでは、前玉を押さえるリングに刻まれた文字が若干異なり、右の前期モデルの場合、文字の刻みが浅く線も細いものになっている。また、コーティングも異なり、左の後期モデルの方がアンバーコーティングが強い。前期モデルにもアンバーは入っているが、非常に薄い感じである。写りはあまり変わらないが、空の色はやはり後期モデルの方が抜けがよくすっきりしたものになる。
 ファインダーは専用の小さいものがセットになっているが、上記の13.5cm用のファインダーを使った方が遥かに見やすい。
 なお、このレンズの構成は後のRトプコール9cm f3.5にそのまま応用された。この他に13.5cm f3.5もある。どれを取ってもLマウントのトプコールはシャープで評判が高く、今では本家ライツのレンズよりも高価な場合もある。
This image is Topcor 9cm f3.5. This lens used aluminum for the first time in Japan. This is the same lens composition as R TOPCOR 9cm.

トプコール13.5cm f3.5
Topcor 13.5cm f3.5
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 こちらはすぐ後にRトプコールに応用された13.5cmレンズで、そのレンズ構成図を見ても全く変わらない。更にFオートトプコール、REオートトプコールとしても使われたので、かれこれ20年にわたって生き延びたことになる。もちろん、コーティングや絞りの枚数などの細部は時代と共に変更されたが、基本構成は全く変わらず、それだけ当初から質の良いものであったと言えるだろう。
 鏡胴は設計者の河瀬先生ご自慢のアルコア社製高強度のアルミ素材を用いていて、見た目ほど重くはないが、非常に仕上げがきれいで、旧ドイツ製レンズのアルミの質感とは確実に異なる。絞りも工夫が凝らされ、このレンズから等間隔絞りが使われることになった。
 ニコンやキヤノンと異なり、レオタックスユーザーはあまり交換レンズまで手が伸びなかったのか、このレンズもなかなか市場に現れない。特にレンジファインダーの限界である13.5cmなので、あまり売れなかったのだろう。
This image is Topcor 13.5cm f3.5. This is the same lens composition as R TOPCOR / F AUTO TOPCOR / RE AUTO TPCOR 13.5cm.

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