こうして標準レンズで見た限り、やはりこれら4つの中ではトプコールが最も良く見えるのは贔屓しているからでしょうか(笑。最初にアップしたペンタックス・オプティオS10はコンパクトデジながら良く写りますが、さすがに発色が本来よりかなり冷色系で、構成枚数の少ない非球面ズームレンズからくる像の歪みもはっきり出てしまいます。しかし、全く周辺部の光量低下はなく、全体で均一な明るさが見られます。また、フィルムと異なってスキャナーを通す必要がないので、一見きれいにみえますが、A4くらいに拡大したものをプリントすると、フィルムから六つ切り程度に引き伸ばしたものと比べてそう良いとは思えません。個人的には印画紙への焼付けはモノクロでしか行ないませんが、デジタルプリントより間違いなく肌理の細かい諧調が表れ、立体的描写も良く再現してくれます。そうは言っても、最新のデジ一眼ですと、最早旧フィルムカメラではかなわないほど良く写るのは間違いないでしょう。
ところで、今回のテストで使用したカメラの操作感ですが、ファインダーの見やすさはペトリMF-1が一歩リードしています。コーワもシンプルで良いのですが、フレネルレンズの溝が大き過ぎて、像がデコボコしたように見えます。ミランダはどうしても微妙にミラーメーターを感じてしまうのが惜しまれますが、暗くなりがちな部分は中心部から外れるので、そう強く意識することはないです。これらに対し、ユニレックスはスポット測光部がミラーの中心部にある上、それがREスーパーと異なり、スリットではなく単純なハーフミラーのため、結構これを強く感じます。また、ヘリコイドを動かすとどう言う訳か画像がわずかに動くのもマイナス。作りは少々手荒いように思います。
測光方式については、絞込みを必要とするミランダとペトリはどうしても一歩後退。やはりどう見ても開放測光が使いやすいです。それでも、絞込みボタンが右に付いているペトリは楽な方ですが、左に付いているミランダは、どうしても左手でヘリコイドを回す関係上、ちょっと面倒な位置にあると言えるでしょう。これに対し、開放測光でもユニレックスやコーワはレンズシャッター機ですから、レンズ交換の際にレンズの開放値を手動でボディ側(レンズシャッターユニット部)に伝達しなければならず、その設定が面倒になります。
シャッターの感触は乾いた音と少ないショックでペトリが最も良い感じですが、ミランダもミラーメーターの割りに静かで良好です。複雑な機構を伴うレンズシャッターの2機はこの点でもマイナスですが、コーワのものはさほどショックが大きくありません。音で言うならコーワが「シュパコン」と言う感じに対し、ユニレックスは「グヮシャコン」と言う具合にかなり派手な音になります。
巻き上げレバーの感触はミランダが一番で、コーワもレンズシャッターの割に良い感じです。ただし、どれもトルクが小さい訳ではありませんので、他の高級機に比べるとさほど良いとは言えません。また、ユニレックスとコーワ以外は引き出しておける予備角が設けられていないので、指を掛けるのにちょっと面倒だと思えました。
全体として見ると、使い勝手は一長一短で何とも言い難いものがありますが、やはりレンズの優秀さや開放でスポット・アベレージ測光切り替えが可能な上、自動露出も使えると言う点から、個人的にユニレックスがわずかにリードしているかなと思います。 |