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98年6月7日、ほとんど林道に行かなくなったF田氏やその他のYMP仲間達はおいといて、ちょっと前にKDX175を手に入れたアオキとともに、伊豆の林道を走ることになった。このイナゴは、実は以前に私が所有していたもので、それを友人に譲ったものがアオキの手元に渡った訳である。軽くてハキハキした感じのエンジンで、無理なくエンデューロで乗れるとてもいい感じのバイクであった。
朝6時に横浜を出た我々は、まず岩尾林道入り口からちょっと入ったところにトランポを止めてバイクを降ろした。 |
岩尾林道・天城旧道はこれまでと変わらず快適に走ることができたが、岩尾林道の登りはちょっと荒れ気味であった。天城のトンネルを抜けてからはどうも舗装化進行中といった感じで、寂しい気もしたが、まあ、あれだけ観光目的の自動車が入ってくるのだから、仕方ないことであるが。おかげで土の路面が踏み固められてテカテカしたように見えるほどカチンカチンである。こうなるとある意味舗装された状態みたいなもので、もうどうでもいいやといった気分になる。 |
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天城の旧道を抜けて南に下り、上佐々野林道に入る。ここは前に初めて来た時もそうであったが、前半の登りはかなりガレガレだった。新しく砕いた石を撒き散らし、ブルがその上を通って踏み固め、ウォッシュボードのようになった路面である。しかし、今回は超古ツインショック車ではなく、一応80年頃のエンデューロモデルなので、このくらいのギャップは「ヘ」でもないが。とはいえ、考えてみるとKLX250にしてもKDX175にしても、今となっては20年以上前のバイクになっちゃったんだよねー。現行車感覚で乗っているが…。 |
さて、上佐々野林道を進み、T字の分岐で以前走らなかった左側の東部(奈良本)林道を走ってみた。ここは狭くて暗い感じの林道で、路面も荒れ気味であるが、起伏はあまりなく平坦な道であった。以前は紹介されていなかったが、Back Off誌などで知れ渡るようになった道で、比較的新しい道である。距離も15km程あって、12kmの上佐々野林道も合わせると結構楽しめる。途中、猪狩りをしている鉄砲を持ったハンターがうろうろしていて、バイクの排気音を聞いてこちらをじろりと見ていたのはちょっと薄気味悪かったが。 |
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東部(奈良本)林道を抜けたが、東伊豆側の別荘地に入り非常に複雑で迷ってしまった。そこでUターンしてまた東部林道を抜けて今度は分岐を白田林道方面に直進し、それを抜け切って国道で食事を取ることにした。白田林道は前回来た時よりも舗装化が進んでいた。道としてはあまり面白い道ではない。食事後、県道を使ってまた中伊豆に戻った。当初、初めてのKDXでコワイコワイと言っていたアオキも、もう慣れていてとてもいいよと言っていた。 |
大鍋林道の入り口は、付近の様子が一新されているので昔の記憶を元にしているとイマイチ分かりづらい。しかし、林道そのものは変わっておらず、相変わらず荒れた道である。入り口に近いところに分岐があったので、そちらも走ってみたが、すぐに行き止まりだった。
更に進むと左に折れる分岐があり、「ハハ〜ン、これが例のカンス林道だな」と思い、当然入ってみた。ここは大鍋林道と打って変わって非常に日当たりの良い快適な林道であった。若干荒れたところもあったが、基本的に走りやすい新しい道だった。途中にあった休憩所ではあまりの暖かさに良い気持ちになってそのまま寝込みたくなるほどだった。 |
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約7kmのカンス林道を抜けると長九郎林道のダート前半部分に出る。つまり、大鍋林道のダートが終了して長九郎林道のダートが始まるまでの、結構な距離の舗装区間をカンス林道によって回避できた訳だ。これはオイシイ林道である。
ところで、長九郎林道に入ると、軽トラックのおばちゃんがパンクで立ち往生をしていた。タイヤを交換したくてもそれができず、結局我々と通りすがりのBMWに乗るアンチャンとでタイヤ交換をしてやった。あんなおばちゃんでも地元の人は荒れた林道を普段から走っていることを改めて知らされた出来事である。 |
長九郎林道を抜けて諸坪峠に出た我々は、少しだけ荻の入林道を走ってターンし、白川林道を抜けて西側に出た。ちなみに白川林道のダート区間はこの時点で残り5km足らずで、以前の面影はない。荻の入林道はまだダート区間がしっかり残っているようだ。
県道を北上し、滝見林道に入りたかったが、もう時間があまりないのでそこは見送り、猫越林道に入った。ここは最初の部分だけコンクリート化されたが、基本的に昔のままのダートである。不思議と観光地の伊豆であるが、林道はどれも荒れているのに対し、この猫越林道は信州の林道みたいに「普通」である。 |
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桐山林道側に入らずに橋を渡って猫越林道を抜けた我々は、トランポを置いてある岩尾林道に戻ったが、今回のツーリングではKLXのクラッチが滑って走りづらかった上、新たにノーマルハンドルに戻したため、かえってこれまでのトマゼリの手前に引かれたゆったりとした感覚と異なり、少し低くて曲がりが弱いので、手首が疲れてしまった。反対にアオキはKDXの乗りやすさにかなり満足している模様。トータルでダートを100kmも走れば、そのバイクのクセもかなり体に染み込むことだろう。 |
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