ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング〜奥志賀方面

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 96年9月3日、我々は志賀高原方面を目指して車を走らせた。今回のメンバーはエルシノア・F田氏とKLX・ワテの他に、以前からちょくちょく一緒に日帰りツーリングをしていたセロー・Aドーの計三人である。私はこの辺りに来るのは随分久しぶりなので、奥志賀林道がどうなっているのか大変興味深いが、一説ではかなり舗装化が進んでしまったとも言われていたので、ちょっと心配でもある。左の写真は途中浅間山をバックに撮ったもの。すっきり晴れ渡ってとても気分のいいツーリングになりそうだ。
 車を渋温泉の宿の共同駐車場に止めて早速向かったのが小串炭坑跡への道。約3q程のダートで下り切ったところで終わり。ただ、ここは実に不思議な印象の所で、標高も高いのか、とても9月とは思えない位寒かった。それに写真のバックを見て頂ければお分かりだろうが、先程まで晴れていたのにあっという間に霧が立ち込め、その寒さに追い討ちをかけていた。この写真は小串炭坑跡への道の入口付近でのもの。群馬県と長野県の県境にもなっているようだ。道は思いの外走りやすく整備されていたが、それでも一般の林道よりは荒れていた。つづら折れになって下っていくため、タイトコーナーが連続している。

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 終点付近にて。横の急勾配の下には小串炭坑で使われた木造の廃屋がある。道はないので、無理をしないと下までは降りられない。ここから見渡す景色は見事としか言えない。山頂に登った訳でもないのに眼前に大パノラマが広がるのだから。ちょっと下にはどこかの池と牧場らしき所が見え、あとほんのわずかな所で道が寸断されて貫通していないが、ほんとうにすぐそこに下の道が見えるだけに、残念な気分である。そんなことを考えている内にいつしか再び晴れてきた。風も強くなっている。山の天気は変わりやすいものだ。
 小串炭坑跡から戻った我々は、そのまま舗装路を下り湯沢林道に入った。この頃にはまた霧が立っている。道は一般的な林道並で、これといって大きな特徴はないが、途中に見える岩山の奇妙な形は目を惹くだろう。今回は霧にやられたが、晴れ渡っている時に見るこの景色も、ちょっと他では味わえないものがある。
 15〜6kmの湯沢林道を下り切り、次に舗装路を戻るような形で山田入林道を目指す。それにしても舗装路の移動は面倒な気もするが、この辺りは風情も豊かで飽きない所である。

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 県道を登って行き、山田入林道の入口にある七味温泉に到着して、早速林道走行を楽しむことにした。ここは傾斜の比較的きつい登りが続き、道もいかにも最近馴らしましたといった雰囲気の土質であった。走りやすいといえば走りやすいが、登り一辺倒というのも面白さの点では若干マイナスではある。ここでは、私は一番後ろを走ったが、途中前のF田氏のバイクのサイドスタンドが外れてぶらついたところを発見! すぐにその周辺を探してどうにか飛んだスプリングを発見したが、良く考えてみるとこれは奇跡的だったかもしれない。
 その後あっという間に山田入林道を抜けた我々は、次に渋温泉方面に戻り、角間入林道に入ることにした。途中七味笠ヶ岳林道に寄ったが、こちらは完全舗装されており、がっかりした。
 この林道は国道と平行するように走るピストン林道で、以前読んだ林道マップにはひょっとして抜けられるのではないかと思わせる怪しげな記述があったので、ぜひ一度走ってみたいと思っていた林道であった。道は木々に覆われ、視界はよくないものの、土質は良くてしっかりグリップしてくれるので走りやすかった。

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 途中分岐があり、先に右の登りを走ってみることにしたが、5q程であえなくストップ。上の写真は最終地点のちょっとした広場?で撮ったもの。これに対して左の下りの道はかなり長くつながっており、一瞬「おお!これはひょっとすると」と思ったが、10q足らずで横の写真のような状態になってしまい、お話にならなくなってしまった。しかし、草は茫々でも道に沿って木はなかったので、実は以前はもっと奥深くまで行けたのかも知れない。とにかく現状では片道10q程度のピストン林道であることに変わりはない。
 渋温泉で一泊して、二日目はすぐ裏から延びる金倉竜王林道を走る。途中工事で30分くらい足止めされてしまったが、快く工事現場の方も我々を通してくれた。それにしても走り応えのある道で、充分楽しめた。
 一度奥志賀林道に出たが、Uターンして分岐も直進し、倉下林道を下る。ここはきれいに整備されており、とても走りやすかった。出口付近はスキー場を横切る形で走り、面白い感覚の道であった。

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 次に丸山林道を走るが、ここはそれなりに荒れたところもある、変化に富んだ道だった。入口は倉下林道の出口に近く、やはり奥志賀林道に出られる。ちなみに金倉竜王林道は20q、倉下林道は10q弱、そして丸山林道は15q程である。我々は金倉竜王林道の後半部分を往復したので、この時点でもうダートを50q以上走っている計算である。それにしても本当に林道の密集した地帯である。
 奥志賀林道に出てそのまま北上し、途中左折してカヤノ平牧場に向かう。奥志賀林道は相変わらず道幅の広いダートであったが、この時点で既にかなり舗装化が進んでおり、もう以前の半分ほどだと言う。しかし滑りやすい道である。
 カヤノ平からは雑魚川林道に入り、再び竜王方面に向かう。この道は落ち葉がたくさんあって、何か鬱蒼とした雰囲気に包まれている。途中からはすっきりと視界が開け、いい雰囲気になる。道はどちらかと言うと土質で走りやすかった。

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 竜王から国道403号線をほんの少し北上し、落合の集落から清水平林道に入る。ここは交通量も多いのか、道が荒れている。所々路面が丸くへこんでいることが多く、踏み固められたワダチとあいまって、ある程度のスピードを境に急に滑りやすくなる。距離は8q程度であるが、意外と気を配ることの多い林道である。
 カヤノ平からは奥志賀林道を南に下り切り、渋温泉に戻ったが、途中新しい道ができていて、何かややっこしかった。以前来た頃とは随分印象が変わっていた。やはり道は生き物である。

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