95年9月10〜12日、F田・アオキ・ワテの三人は、これまで一度も訪れたことのないいわき周辺の林道を走ることにした。さらに初の試みとして、トランポにバイクを積んでの移動を行った。 常磐道をいわき勿来まで走り、最初の林道である日兼林道に到着。ここで車を止めて早速林道ツーリングを楽しんだ。この道は林業の方達の作業道のようで、至る所に丸太が積まれていた。道の両脇がたいして高くない、変わった印象の道であった。 |
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日兼林道でカメラを落としてしまったワテは、一人探しに戻ったが、見付かったのは入口付近。30分程時間をロスしたので、次の四時川林道に向かって急いだ。とはいえ入口はすぐ近くである。別に慌てなくてもあっという間に入口に到着した。 ここはいくつかの分岐があって、それぞれどこかに抜けられるようだが、我々は本線を走ることにした。途中、集落とは呼べないが、民家がある所に出てみると、何とそこは雑貨屋であった。林道の途中に店があるのは、ここ以外では見たことがない。すごい所だ。 |
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四時川林道を抜け、国道を挟んで反対側に入ると、そこは大柴沢林道である。ここは約5km程と短いが、途中分岐箇所があり、こちらも多少ダートランが楽しめる。入口を取り囲むような形で朝日林道もあり、これも数キロのダートが味わえる。それにしてもガソリンスタンドのない所である。田人という集落の辺りをうろうろするが、結局見付からない。短いダート(でも抜けられる)はいたる所にあるのに…。 | |
うろうろしつつ、ショートダートを楽しんだ後に移動し、久慈川林道脇に車を止めてこの周辺の林道を走ることにした。まずは久慈川林道であるが、ここは暗いイメージの固い土の道だった。次に八溝山に入って八溝真名畑林道に入る。平坦で走りやすい道だ。出口でUターンして途中から伸びる高笹林道へ。これも抜けきったが、出口に近い所に分岐があり、これを入ると新たな標識はあるのだが、落石などのためかすっかり開発が途絶えた塩ノ海入山林道を往復。 | |
さらに、高笹林道の行き止まりのはずの支線も走ったが、何と八溝山に抜けられた!直線で一気に登る幅広の新道だった。未だに行き止まりと紹介されているのはナゼ? 数年後、気になったワテはここを調査すべく単独でツーリングを試みたが、その道は見当たらなかった。真っ直ぐな出口への道は一体どこへいったのだろう?(林道ツーリング単独走行編のページを参照)。 | |
昨夜は久慈川林道脇でテントを張って寝たが、次にいわき南部の林道を走るべく、車を国道49号線から少し国道349号で南に下った所にある、芝山キャンプ場に止めておいた。前日風呂に入れなかったので、今日林道を走りながら温泉につかることを考え、石鹸やタオルを持って走りに出た。まずは南側の大風林道、次に熊倉林道、そして入定林道の順である。しかし、熊倉林道は通行止めであったので、すぐに入定林道に折れてこの入遠野ダムで一服した。全体的に日陰と日向のはっきりと分かれる道であった。 | |
入定林道を抜けて入遠野の集落で南に折れ、さらに御斉所街道を西に向かい、入道温泉に到着。ここで入浴したが、本当に真昼間に温泉につかりながらの林道ツーリングもいいものである。入浴後のアオキのすっきりとした顔を見れば、いかに我々が爽快な気分であったかがお分かり頂けるであろう。 入浴後、ぐるりと回るように国道を北上して東に折れた我々は、次に葭平下市萱線に向かうべく、颯爽と舗装路を走った。 |
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葭平下市萱林道に到着したが、ここは実に深い林道群である。本当に林道が縦横に走っており、ほとんどどれも抜けられるのが困ったところ。地図にも出ていない道なので、かえって枝道は行き止まりであった方が分かりやすいのであるが、ここは仕方ないので全部走り抜けて出口でUターンすることにした。 次の大沢林道と日渡高野林道も10km未満の道だが、連続しているので短さは感じない。 |
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一度渡戸の集落に出て、今度は二本川林道に入る。この道は適度に荒れていて、走っていて面白い道であった。そのまま鶴石山林道・日渡高野林道につながっていて、次は鶴石山林道に向かって左折した。こちらは前半は赤土のダートで、いかにも東北を感じさせる雰囲気に包まれた道である。しばらく進んで分岐を右折。視界がぐっと開け、低い山々が並ぶ変わった風景の所に出た。鉄塔がずらりと並んでいるが、民家は皆無。この道もしっかりと抜けられた。 | |
再びUターンして折松林道を走った我々には、もう時間があまりなかったので、急いで国道49号線を西に進み、芝山キャンプ場に向かった。 途中食事の材料をコンビニで調達して戻ったが、到着してみるとまだ多少明るい。そこで、この周辺のダートを探索しに出かけた。 左の写真は近くの遊歩道なのか獣道なのか分からない藪の中の斜面を降りてくるアオキ。この時間になるとうっすらとした明るさも木々に覆われ、ほとんど真っ暗闇である。 それにしても、ダートのオンパレードである。何でこんなにダートがあるのかと思ってしまうほどだ(どれも短いけれど)。 |
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これが我々の宿である。シーズンからちょっとずれただけでもう人影は皆無。トイレも炊事場もある文句なしの環境である。 後ろに見えるトラックはニッポンレンタカーで借りたもの。小型のトラックで、借り賃はとても安かった。それにしてもトランポでの移動は楽である。これ以降、私はすっかりトランポ移動にはまってしまい、すぐにトラックを買うことになった。 |
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こちらは芝山公園にて。芝を荒らすといけないので、とりあえずバイクを入れて記念写真をした程度で公園から出たが、とても爽快な広場であった。空はまだ白いが、実際はもうかなり暗くなってきていた。しかし、山の上にこれほどの面積の芝の広場がひょっこりと現れるなんて、考えてもみなかったことなのでびっくりしたものである。一度昼間にゆっくりと美しい芝山公園を満喫したいと思っている。 | |
昨日は折松林道群を全て走り切ることができなかったので、今日はまずここの残りを攻めることにした。入口はいわき中央インター側の高野温泉の先にある椚合林道。しばらく登っていくと、写真の分岐点に到着。ここからは三大明神林道と名を変え、さらに折松林道へと至る。はっきり言って地図に出ていない道なので、さっぱり分からないが、気楽に走っているとなぜかうまい具合に目的の道に出られるものである。 最高の天気の下、我々はいわきの山々を満喫することができた。 |
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鶴石山林道への分岐点に到着して、再びこの道を走ることにした。後半は砂利の多いタイプの林道であったが、時折水溜りが残っていたり、ぬかるみがあったり、色々とその姿を変えてくれる。あまり起伏は多くはないので、初心者にも走りやすい林道であるが、問題は複雑であることである。我々が走った道の他にもまだまだ行き止まりの支線がたくさんありそうであるので、全体のダート距離はものすごいものになるのではなかろうか? | |
鶴石山林道を楽しげに走るF田氏。尾根沿いにす〜っと伸びる、展望のよい所であった。 このまま二本川林道を抜けて国道に出てから、合戸から最後の林道である大倉林道に向かう。水石山公園方面と別れて林道を下ると、道には何やら怪しい物体がある。どうやら牛の糞のようだ。コケないように安全に走るが、後ろの連中が来ない。戻ってみるとF田氏がコケてしまった模様。幸い牛の糞とは関わらなくて済んだようだが、ひざを痛めてしまったらしい。できればすぐ上にある小玉川林道も走りたかったが、ここら辺で切り上げることにした。 |
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今回は初めてのいわき方面のツーリングであるとともに、これまた初めてのトランポ使用のツーリングであったが、実に有意義で楽しいものとなった。必ずや次はいわき北部の林道を走破してやろうと、この時心に誓ったものである。 |