林道ツーリング〜奥日光・会津・猪苗代方面

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95.8a.jpg  95年8月13〜15日、アオキと二人で磐梯・猪苗代湖方面を中心に、新しい林道を発掘すべく2泊3日のツーリングに出かけた。
 初日はせっかく北へ抜けるのだから、奥日光の林道を走って抜けることにして、まずは表男体・野州原・志津林道のセットを走ることにした。相変わらずのあれ道が続くが、走っていて実に楽しい道であることは確かである。
 戦場ヶ原からはいつもの通り山王林道を北上。これしかルートはないので当然のことである。
 山王林道は昨年来たときよりも舗装化が進んでおり、ダートはトータルで5km程しか残っていないようだ。
 すぐに馬坂・田代山林道を抜けるつもりで走っていたが、途中で折れる枝道の無砂谷林道がずっと伸びて、檜枝岐村まで出られることを知っていたので、どんなものかと思いしばらく走ってみることにした。かなり進んだものの、まだまだしばらくありそうだった。途中、脇道を降りて川原で遊んだが、さすがに時間がないので、やはり戻って田代山林道を北上することにした。さすがに桧枝岐に出てしまうと、舘岩村で宿を取る予定だったので、かなり遅くなってしまうことになるからである。
 実際、後日この林道を最後まで走ったが、とても快適で、いかにも林道らしい林道であった。まあ、言い換えれば標準的なコースであるとも言えるが、雰囲気・距離ともに関東屈指のツーリングルートになったことであろう。

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 田代山林道を進むと、だんだんとガスってきた。しばらくして、埼玉のXR500に乗るライダーと合流して走ったが、少し進むと「林道崩落のため通行止め」となっていた。1ヶ月前までこの辺りは記録的な大雨に見舞われていたので、その影響なのだろう。
 どんなものかと見に行くと、御覧の通り。先に全く道がなくなっていた。これではどうあがいても抜けることはできない。仕方なしにここは諦めて再び川俣温泉の方へ戻ることにした。
 何でも、XRライダーの話によると、安ヶ森林道も通行止めになっているらしく、そちらのルートも諦めた。25km程来た所なので、戻るだけでも時間がかかり、宿が取れなくなると困りものである。
 民宿は一軒だけ空いていたが、これがまたひどい宿だった(自分の所で風呂を沸かさず、バイクで15分も先にある公共温泉に行って入るように言われた)。
 翌朝早々に宿を離れた我々は、川治温泉を抜けて国道121号線を北上し、塩原に向かった。途中、大塩沢を抜けて塩原に行こうと思ったが、86年に来た時、既に最後の方で道がなくなっていたため、今回もあまり期待はしていなかった。すると案の定7km程で通行不能状態であったが、前よりかなり短くなっている。以前と異なり、国道が塩原方面とつながったので、ここを使う人が皆無になったため、荒れたまま放置されているのであろう。

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 塩原からは塩那道路を走ることにした。この道は80年代に入って完成した道路で、日塩もみじラインの続きの有料スカイラインになる予定だったそうだ。しかし、実際に開通させて見たら、距離は50kmにも達し、道は崩落や崖崩れが多く、維持するだけでもかなりの予算を要するため、舗装化は棚上げ状態になってしまったらしい。私はこれまで3回走ったが、とても荒れた天候の変わりやすい危険な道であった。前の年は走れなかったので、今回は是非とも久しぶりに走ろうと考えていた。
 入口からのしばらくの登りは舗装されていたが、まだまだ40kmは未舗装である。途中から千葉県旭市の関モータースのツーリングクラブの一行と一緒に走った。かなりの大人数で、先頭と末尾では相当進む速さが違うようだ。
 上の新型(当時)XRと写っている人がその一行の中の一人。写真を送りたいと思ったが、住所が分からず、そのままになってしまった。
 林道の出口では2台のカワサキファンと出会って、楽しい一時を過ごした。まだまだオフロードライダーはたくさんいるものだと思ったものである。
 大川林道はやはり通行不能であることを聞いたので、次は黒磯〜那須方面に出てから鎌房林道へ向かった。甲子林道を抜けると国道289〜121号に出ることになり、次の黒沢林道に向かうにはかなりの遠回りになるため、今回は鎌房〜布引林道のラインを進むことにした。実際、鎌房林道と甲子林道の間にはいつの間にやら鉄柵ができており、どのみち走れなかったが。
 布引林道も近い内に舗装されそうだ。スキー場に来る人が多いのだろう。

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 布引林道を抜けた頃にはもう4時を過ぎており、早いところ黒沢林道を抜けて会津若松市内に入らないと宿が取れなくなってしまう。しかし、KLXのリアタイヤのエアが抜けてしまう。実は初日からその兆候はあったのだが、ダマしダマし乗っていた。ついにまずいことになったか…と思っているところに、長野のXR500のライダーがやって来た。パンク修理キットをお持ちかどうか尋ねると、譲ってくださると言う。ありがたく思い、とりあえず空気を入れ直してみたら、今度はエア漏れしない。結局ただ引き留めただけになってしまい、申し訳なかったが、無事に黒沢林道を抜けることができた。
 会津若松市内のビジネスホテルで一泊した我々は、翌日一番に雄国林道を目指して喜多方方面に向かう。この林道は以前来た時には、ぐるりと一周できる形のロングダートだった。しかし、久々に来てみると、頂上の雄国沼まで完全に舗装されていた。枝道を走ってみたが、やはりすぐに行き止まり。力が抜けそうになったが、反対の中地道林道(これも舗装)側に何やら新しい林道ができていた。その名も大久保林道と言い、これから舗装工事が進められるようで、注意書きが立てられていた。当然ここはどんなものかと思い、走ってみることにした。

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 雄国沼からでは下り一辺倒であるが、実に快適な林道であった。途中、道の横に滝が流れ落ちており、真夏の暑い時には本当に爽やかさを感じさせてくれるものである。
 約10km程で下まで降り切ってしまったが、そこで以前KL250に乗っていたと言うXLRのライダーに出会ってあれこれと話をしたが、彼は私のKLXに興味を示していたようだ。
 ところで、この辺りにはいくつかの分岐があり、それらをいちいち調査して回るとかなりの時間を要することになる(どれも短いようだが)。
 と言う訳で、ここでは一つの支線に入ってみることにした。林道の名は堀田山林道という。しばらく走ってみたが、結構来ているはずなので、ひょっとして抜けられるのではないかと思っていた矢先、道が流されている所に来てしまい、仕方なく引き返した。写真ではほんのわずかな幅のように見えるが、実際は5m以上開いていた。
 大久保の集落に出てから県道を挟んですぐ北にある上川前・高曽根林道に向かう。蘭峠を抜けて、桧原湖に出る予定である。

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 上川前林道に入るとしばらくして上に向かう道と下に降りる道とに分かれる岐路に出た。地図にはそれらしきものは見られない。桧原湖は右側なので、とりあえず右の登りの道を進んでみることにしたが、7〜8kmで行き止まりであった。次に左の下りの道を走ったが、こちらは結構続いているようで、このまま抜けられるかと思った。しかし、しばらく行くと、倒木や落石などで急に道が荒れ出し、無理に越えているとついに道が崩れ落ちているところに出くわしてしまった。かなり深い谷で、120%反対側に渡ることは無理である。ここも仕方なしに引き返す羽目になった。
 桧原湖を半周して対岸に出て、県道を南下して猪苗代町に向かい、途中東に折れて三河小田川林道に到着。ここは新たに開通した道で、とても良く整備された林道であった。距離は22kmのフルダートであるが、整備され過ぎていると面白味の点で少々マイナスになる。ただ、まだあまり知られていないためか、地元のトライアルライダーとすれ違っただけで、車は皆無であった。今では既に舗装されているかもしれない。

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 猪苗代湖畔を南下して県道をそのまま日山川沿いに東に折れ、三森トンネルの手前から日山源田林道に入る。ここは約15kmの林道で、比較的走りやすい平凡な道であった。
 次に北側を平行するような形で走る御霊櫃林道を走った。この道は昔から有名な林道であったがこの時ではまだ峠までの9kmはしっかりダートとして残っていた。車も多く、路面の土が跳ね飛ばされ、中の石が剥き出しになっているところが多く、利用者が多いのに荒れたままの道であった。この翌年にはかなり舗装化が進んだようで、今では完全に舗装されている可能性が高い。
 この後再び南下し、勢至堂峠を越えて白河に向かい、東北自動車道で帰路に着いた。二人で走ると時間のロスがなく、一日でかなりの距離が稼げるものだ。今回のツーリングではおよそ250kmのダートを走ることができた。それにしても、道の崩落現場に四回も至るとは思いもよらなかった。これに安ヶ森林道と大川林道を加えると、走る予定だった林道のうち、六つの林道が災害に見舞われていたことになる。

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