林道ツーリング〜伊豆方面

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 95年1月7日、真冬の夜に横浜を出て伊豆に向かう。伊豆は比較的暖かいので、正月に走ることに決めていたが、そうは言ってもやはり真冬である。さすがに寒い。
 修善寺で一泊してから、翌8日の早朝に桐山・猫越林道に向けて出発。途中、国道414号でワンボックス車が横転していたが、路面が凍っていたのでカーブを曲がり切れなかったらしい。伊豆といえどもさすがに真冬は氷も張ろう。ましてや山の中なので寒くない訳がないのだから、心を引き締めて安全に走ることを心がけた。
 桐山林道は路面の土が凍っていて、初め不安だったが、実際に走ってみると意外にしっかりとグリップしてくれる。かえってぬかるみなどよりは数倍走りやすく感じた。それにしても寒い。
 猫越林道側に入ってみるとこの通り。路面は白い砂利が敷き詰められているのではなく、れっきとした氷である。日が当らない所ではなかなか氷が溶けてくれないらしく、このような不思議な道が連なる。雪が脇に残っているとか、路面に積もっているとかなら良く経験したものだが、砂利に氷が張っているのはあまり体験したことがない。
 猫越林道を抜けて県道持越線を越えて再び国道414号に出る。ここも82年に来た時は持越林道という名で、道もぬかるんだ泥道であった。その後すぐに舗装されて立派な県道となり、地元住民の往来する大切な道路となった。こうした道は舗装されるのが当然であり、我々としても喜ばしいことである。
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95.1c.JPG  天城街道に戻って岩尾林道〜天城旧道とダートを走っていたが、この頃になると路面の氷はほとんど見られなくなった。しかし、気を抜いてゆっくり走っていたら、フロントタイヤが突然滑ってコケてしまった。路面が固いので、結構痛い思いをした。
 河津ループ橋を越えて、ガスを補給し、いよいよ本日のメインルートである大鍋越え〜長九郎林道へ向かう。この写真は大鍋林道でのもの。ここで大型トレール車(テネレ?)を追い抜くが、やはり日本の林道ではこうしたバイクは扱いづらいのであろう。
 大鍋林道は以前と変わらずそこそこ荒れた道で、走っていて充分楽しめる道であった。
 ダートが切れて池代の集落を過ぎて長九郎林道に入るが、なかなかダートに辿り着かない。しばらくしてからやっとダートに変わったが、半分近く舗装されてしまったようである。少し残念であったがそのまま走り続けていると、途中分岐があったので諸坪峠に出たかと思って見ると、記憶とは全く違う印象であった。「まあ、白川林道は左で荻ノ入林道が右だから、ここは左に行けばいいや」と思いそのまま進むと、また分岐に出た。しかもこれこそ記憶に残っている諸坪峠である。そして、驚くべきことに、大鍋林道で抜かしたはずの大型車が先に来て休んでいるではないか! あれから抜かされた訳でもなかったので、疑問は深まるばかりだった。 95.1d.JPG

95.1e.JPG  その疑問が解けたのは後日カンス林道の存在を知ってからであった。私が伊豆に良く来ていた80年代後半には、こんな道はなかったのであるが、いつの間にか開通して、雑誌などで紹介されていたらしい。
 この道は大鍋林道のダートの最終地点手前から、長九郎林道のダートが始まってしばらくしたところにつながっていて、言わば舗装区間をカットして走れるオイシイ近道だった訳である。こんな素晴らしい道があるとはつゆ知らず、わざわざ舗装路を遠回りしていた自分が空しくなった(笑)。
 それはともかく、白川林道を抜けて仁科峠方面に向かって県道を北上していると、XRやCRMなどの現行エンデューロ車の軍団に追い着いてしまった。彼らは我々を確認するとスピードを上げ始めたが、その様子に敵対意識がありありだったので、「そんなら受けて立ってやろうじゃないの〜(^^)」と思って離れないように付いて行った。先頭を走っている人はなかなか速そうであったが、グループ内の腕前の差はどうしてもあるようで、私につっつかれていた最後尾のCRMはコーナーではらむなど、アップアップしていたようだ。
 ダートで知らない人が前を走っていて、しかもこちらの感覚からするとちょっと遅いなと思ったら手を挙げて抜かしてしまうが、ここは舗装路でもあるし、無理に抜かすのも大人気ないので、そのまま一緒に走っていたら、滝見林道の入口に到着してしまった。

 本気でバトルをしていたら危うく滝見林道の入口を見落としてしまうことになりかねないが、別段限界の状態で追いかけていた訳ではないので、すんなりと見つけることができた。ここで彼らとは分かれ、我々は滝見林道に入ったが、しばらくしてその名の通り小さいながらもしっかりとした滝に出会えた。伊豆はいたるところにこれくらいの大きさの滝があるが、林道のすぐ脇に、しっかり水の流れる滝があるのはそう多くはないだろう。真冬だから少々爽快と言うより寒々としていたが、こうしたところで写真を撮れるのは幸せかもしれない。
 さて、一服した後に林道を進むが、ちょうど半ばの辺りで木材の伐採が行われていて通行不能であった。仕方ないので来た道を往復して県道に出たが、それでも真冬の山道で、1日で75qのダートを走れたのだから、充分満足できるツーリングであった。冬の日照時間の少ない中でのものである。夏であればこれに上佐々野・東部林道を加えてもっと距離を伸ばして走れることだろう。それにこの時は知らなかったカンス林道も含めると、伊豆は1日100qのダートを満喫できる、最高のスポットであると改めて感じたツーリングであった(残念ながら、伊豆も林道の封鎖が進み、2004年現在では、ダート100qはとても走れないようになってしまった)。

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