林道ツーリング〜甲州・信州方面

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 94年10月1・2日、フジタ・アオキ・私の3人で、甲府の北側から南アルプス周辺の林道を走り回る。まずは中央高速で甲府に向かい、太良ヶ峠から水ヶ森林道に入る。この道は88年に友人とやって来た時にいつの間にか開通していた道で、赤土の20km級のダートだった。しばらくぶりに来てみると、入口からしばらく舗装されていたが、まだまだ快適に走れる道であった。
 写真は次の川上牧丘林道の大弛峠でのショット。ここは随分舗装化が進んでいるが、まだまだ険しい雰囲気は残っていた。特に後半の荒れようはすさまじい。全く手が付けられていないようだ。
 川上村から野辺山に出て、八ヶ岳幹線林道を北上し、麦草峠に達したのがこの写真。八ヶ岳林道は、昔通ることのできた南八ヶ岳林道や白駒林道が厳重なゲートで走れなくなっており、楽しさも半減している。
 この麦草峠は国道の中では最も標高が高いそうで、実際エンジンのふけが悪く、ゆっくり走る車を抜くのも一苦労だった。後からZZRなどの大型バイクがいとも簡単に我々を抜いていったが、こればかりは致し方ない。しかし、下りを快適に飛ばしていると、随分前に抜かされたあの大型軍団に追い着いてしまった。やはり大型車はこうした狭い峠道には弱いようだ。

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 茅野に出てから入笠山林道方面に向かうが、この道はすでに舗装されているので、杖突峠から晴ヶ峰林道を経て、黒河内林道を南下することにした。晴ヶ峰林道はわずかにダートが残っているが、あちこちに落ちている牛の糞には閉口した。私が指差しているのもそれである。
 黒河内林道も後半相当舗装されており、80年代は30数kmあったダートもこの時点で20kmを切ってしまった。あまりコーナーの連続しない面白味のない道である。また、見晴らしも良くないので、景色もたっぷりと味わうことはできない。
 その後、高遠を経由で分杭峠を抜けて、大鹿村で一泊した。
 朝、さらに南下し、蛇洞沢林道を通ってしらびそ峠に向かう。この林道は86年頃訪れた時は完全なフルダートであったが、やはり舗装化が進んでいると見えて、この時点でも峠への分岐点からの反対側は既に舗装されているとのこと。もちろん、我々が往復した北側の道もすぐに舗装される予定のようで、道が整備されていた(下の写真参照)。
 しらびそ峠は、以前は蛇洞沢林道の分岐点から伸びる行き止まりの林道であった。しかし、88年にはここから南信濃村につながる林道か開通し、後日エコーラインと命名された。とても長い林道であったが、この1ヶ月後に久しぶりに訪れた時は、もはや半分舗装されていた。

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 蛇洞沢林道を走るアオキ&フジタ。ここももう舗装されていることであろう。そういえば、しらびそ峠の近くに遠山林道という、行き止まりだが長距離の道があった。かつて一度だけ走ったことがあったが、林業の方達の専用の道なのか、今ではここにも厳重なゲートが付けられている。ゲート&舗装。何で今の日本はほとんど人が通らないところを舗装したり、せっかく作った道を走れないようにしてしまうんだろう? まあ、ここは分断された国道のツナギとしての役割のある道だから仕方ないとして、もう少し使用頻度に合わせて舗装化を計画して欲しいものだ。誰も通らずアスファルトの上に土砂が度々落ちてきて、そのままになってさらに誰も通らなくなった神奈川県のかつての林道を見ていると腹が立つ。

 大鹿村に戻り、今度は陣馬形山林道を使って国道153号に出ることにして、早速折草峠を目指す。この道も80年代はフルダートだったが、もう完全舗装されていた。途中左に折れて陣馬形山林道に入ると、こちらは昔のまま。しかしびっくりしたことに、坂を下り切ると見たこともない道が左右に伸びていた! 新たに陣馬形山幹線林道として、南北に伸びていたのだ。これまで陣馬形山林道と呼んでいたものは、中組陣馬形林道と名称変更され、新たな幹線林道が本線になったようだ。新しい発見は、その喜びも並ではない。とっても走りやすく快適な林道である上、なかなかの距離を持った有意義な林道であった。

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 駒ヶ根の国道に出て食事をとった後で、県道に戻って北上して高遠に戻り、そこでガス補給をしている時に店の主人からすぐそこから入笠山に抜ける道があるという情報を得た。まだ何にも紹介されていない道で、これまた喜びもひとしおであった。しばらくして寺崎勉氏がこの道を発見して、雑誌に「千代田湖ナントカ線」というようにとりあえず命名して発表していたが、その後のバックオフ誌などの調査によると「町道高嶺線」と言うらしい。何はともあれ、我々がここを知った時には、まだ紹介されていない林道だったので、「秘密の林道」をたっぷりと味わうことができた訳である。
 入笠山に到着してからは金沢林道を下って甲州街道に出て、中央高速で帰宅した。それにしてもたくさんのダートを走り回れたのみならず、新たな発見、快適な天候と言う具合に、何から何まで有意義なツーリングだった。

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