ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング50〜春のほろ苦ツーリング

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わくわく楽しみな出発前!

復活のひろさん、初参加のT永君も楽しそう!
出撃前

 今年のGWも、5月4日にYMP恒例の茂来林道ツーリングに行ってきました。3日にもの凄い渋滞情報がNewsで流れ、一応信州佐久穂の国道299号線沿いの川久保交差点に午前9時半集合と言うことにしていたので、念のために朝4時半に横浜を出発して、保土ヶ谷バイパス→東名高速厚木IC→国道412号→中央道相模湖IC→長坂IC→清里→国道141号小海と言うルートで目的地へ向かいました。前日のTVでは朝5時から混み始めたと言う高速下り線です。警戒して早目に出ましたが、渋滞は一切無しで、川久保交差点には8時15分に到着してしまいました。これでは1時間以上も間があるから、軽トラをいつもの林道入口にあるトランポ置き場に止め、荷台から今回レストア後初林道ツーリングになるKL250A4を下ろしました。ただ、横浜市内で試し乗りしていたら、200kmちょっと走ってバッテリーが上がってしまい、レギュレーター/レクチファイアーが怪し気なものの、とりあえず今回はフル充電して1日もたせる予定です。ただ、やはり心配なので、いつものKLX250A2も一緒に積んで持って来ましたが、それにはカバーを被せておきました。
 KLを下ろして、スニーカーのまま一つ先の曲がり角の林道を足慣らしがてら往復し、9時ちょいに川久保交差点の待ち合わせ場所に行くと、事故による大怪我から復帰し、2年ぶりに林道を走ることになったひろさんと、長野市内から自走で来たいっつあんが既に来ていました。程なく、これまた久々に参加のミスッタさんが、今回初参加である彼のジムカーナ仲間の友人T永君と2人でハイエースに乗ってやって来ました。念のためBBSに書き込みのあったタナカさんを少し待ちましたが、GW前半に中国地方を、5日から和歌山をツーリングするとのことなので、さすがに4日は無理かと思いまして時間通りにトランポ置き場に進んで準備しました。

今回参加の面々

ひろさんフカーツ!
ひろさん

 2年前の車との事故による大怪我からやっと回復して、ご家族の許しも出て、丸2年ぶりの林道ツーリングになるひろさんは、KDX125SRを持ち込みました。当初は皆の後ろに付いて慎重に走っていましたが、やはり長いブランクから当然と言えますね。でも、元々がさんざんEDレースをやってきた飛ばし屋さんですから、慎重にと言ってもなかなかのペースでいっつあんとともに流しています。
 ひろさんの特徴は、コーナーでしっかりとアウト側から押さえを効かせていること。ですから時折何かのギャップでふらついても、立て直しが楽にできますから、ほとんどコケることはありませんね。
 お馴染みのいっつあんはXLR250Rに乗って自走で長野市内から佐久穂まで来ましたが、1時間40分ほどかかったそうです。同じ県内でも長野は広いですね。思えば一番北は新潟と接し、南は静岡です。でも、佐久は中央よりちょっと北側にあるし、長野市が一番北にある訳でもないので、1時間もあれば来られるのかと思ってました。そう言えば、茂来山のある一帯は、群馬・埼玉と接する上、ちょっと南に下れば山梨です。やはり大変なんですね。
 そのいっつあんは1万円もしないで買ったと言う、コンパクトなデジタルビデオカメラを持ってきました。携帯みたいな形の縦型ボディなので、「取り付けが問題」と言いつつ、手持ちで走りながら撮ってました(笑。

いっつあんはおニューのビデオカメラで
いっつあん

オヒサなミスッタさん
ミスッタさん

 久々のミスッタ氏もダートの勘が戻らないのか、瞬発力のあるKDX220で当初慎重に走っていましたが、本人の弁では「体重が増えたから(笑)」とのこと。確かに以前に比べてかなりぽっちゃりしていますが、そりゃワテも一緒っす(^)o(^)。
 一緒に走り始めた頃からKDXに乗っていますが、ジムカーナではアプリリアのモタードを使っているのだとか。やはりオフロードベースの身軽な車体がジムカーナで振り回すには持って来いなんでしょうね。興味のある方は
こちらをご覧になってみて下さいね!
 今回が林道3回目で、オフロードブーツも初めて買ったというミスッタさんのお友達のT永君は、まだ三十路を少し超えたばかりの血気盛んなお兄さん。XR230に柔らかいコンペティション向けトライアルタイヤを付けて走りますが、とにかく楽しくて仕方ないのか、アクセルを回しがちのようです。元々ジムカーナで鳴らした腕と度胸はとても林道初心者とは思えませんが、穏やかな性格のXR230が丁度良いかも。切れ味鋭い2stEDバイクに乗せたら、どこかに飛んで行きそうな勢いで走りそうです(笑。

T永君はやる気満々
T永君

初お目見えのKLイモムシ号
KL250とワテ

 今回のワテは、前述の通り簡易レストアを施したKL250A4での初林道ツーリング。さすがにせっかくの新品タンクをコカして凹ませたくないので、安全に楽しむべく、当初はかなり押さえて走りました。同時に、今回はビデオ撮影を充実させるべく、これまで使ってきたPentax Optio S10をクランプでハンドルに固定し、写真撮影用に新たに買ったOptio RZ10を使うように、カメラも2台体勢で臨みました。
 81年に初めて新車で買ったのがこれと同じKLですが、KLXやF5、F11などの激しい振動のバイクに慣れていたワテには、「あれ? こんなに振動の少ない快適なバイクだっけ?」と思えるほど、乗り心地はマイルドです。
  ワテが当初先頭を走って道の具合を確認しつつ、ビデオを撮っていましたが、程なく皆を先行させて、それを後ろから撮るようにしました。すると、すぐ後ろに付いていたのはT永君で、その後ろにミスッタ氏が付いていました。いっつあんらはかなり後ろから来ましたが、彼もビデオを手持ちで撮っていたので遅くなったようです。
 その後再び一緒になって皆で進みますが、いつもの撮影場所の神社手前でスピードを落とすと、血気盛んなT永君は何も知らずにやる気満々で横から前に出てそのまま行ってしまいました。神社で待っていればじきに気付くだろうと思い、そこで休憩がてら今度は手持ちでそれぞれが走る動画を撮影しました。

いつもの十二神社前で桜を見つつ休憩
十二神社前

やっぱ撮らないとね!
T永君を写すミスッタ氏

 一通り皆さんの走行動画を撮りつつ、次のポイントである信濃沢林道の4差路を目指すことにしますが、この後市の沢の集落から、信濃沢林道側の市の沢まで多少舗装区間があります。そう長くはないですが、道の左右に畑があったり、交差する道の先には民家があったり(“茂来城”も^^)、地元の方が林道を利用することが多いのが窺い知れます。ですから、舗装が切れてダートが始まったからと言って、見晴らしの良くないところでは絶対に無茶は禁物です。

初参加のT永君
T永君

ミスッタさんは押さえ気味に
ミスッタさん

いっつあん&XLRって何か似合うね!
いっつあん

とりあえず勘が戻るまで慎重に
ひろさん

 信濃沢林道入口に向かいつつ、最初と同じく先行して道路の状況をビデオ撮影していますが、どうも誰も付いて来ません。とりあえず一人でパチリと撮影しつつ、ビデオを回しながら皆が来るのを待つものの、随分時間がかかっても来ないので、「?」と思って戻ることにしました。実はその前に一度先行させた皆が止まっていたので、どうしたのかと思ったら、猟師さんの散弾銃の薬きょうが2個路面に落ちていて、その新しさが妙に生々しかったのですが、近くで鹿か熊を撃っているのは間違いないです。もちろんバイクが撃たれることは絶対ないでしょうが、猟師さんの車とトラブルになると困りますもんね。

KLイモムシくん
KL250A4

いっつあん刺さり跡
いっつあん刺さり跡

 とにかく心配になって戻ってみると、いっつあんがフラットなコーナーでぼんやりしていたのか、そのまま真っ直ぐ進み、沢の水が流れる大きなくぼみ(と言うかコーナーの部分がヒューム管の上にある橋みたいになってます)に突撃。下が柔らかい枯れ草&泥っぽい土で、これが良いクッションになって、フロントから突っ込んだ割りにコケることなく怪我もなかったようです。それを皆で引き上げるべく時間をかけていた訳でした。それにしても、バランス感覚バツグンのいっつあんがなぜコーナーを直進してジャンプしたのか、意外なことでビックリこきました(^∇^)。それでもコケないいっつあんは大したもんです。
  その後、新井牧場先の分岐で昼食を取って一休み。この分岐は以前工事中の行き止まり支線でしたが、当時工事の看板に「深沢線」とありました。今はこれが新井牧場手前の丁字路の抜けられるようになっています。
 ところで、11時15分に到着して休みつつ、食後もT永君やミスッタさん、ひろさんは遊びがてら山に入ってゲロトレ遊びをします。いっつあんはKL250の試乗をしてもらいましたが、アーマオールで滑りまくるシートに困惑してました(笑。
 一服した後、12時頃にはそこも出発して茂来本線を一気に抜けて、午後は県道を隔てて南側にある御座山の林道を目指すべくアクセルを回します。

深沢線の分岐の切り株広場で昼食
お昼の休憩

 KLイモムシくんは、Rタイヤが17インチのため、どうもギャップで簡単に滑りがちです。心配していた足回りの疲労は感じられず、しっかりRサスもダンパーが効いているので、ピョンピョン飛び跳ねることは皆無でした。エンジンフィーリングはKLXとはマジで180度異なる感じ。とても同じエンジンとは思えません。KLX250Aは、とにかくローギアードでうるさく、振動も並じゃないんですが、KLはバランサー無しなのに振動が手足や股間にビリビリと来ずにとても静かで穏やかです。でも、他のバイクに乗っている人からすればそれでも激しい振動なんでしょうけどね。

事故直後
事故現場

  とにかく、KLをコカさないように、ほどほどにアクセルを回して走っていますと、T永君が後ろに付いて来ます。思えば彼の実力を全く知らないので、直後から見てみようと思って先行させると、林道3回目とは思えないほどアクセルを回しています。しかし、右側に膨らんでコーナーを抜けることも多く、「ちょっと危なっかしいなぁ」と思っていた矢先、下りの中程度のブラインドカーブで、下から上がってきた軽のRV車と鉢合わせ。「あっちゃー!」と思いつつ、事故のシーンは妙に鮮明に焼きついているものですが、当事者でないワテも今回はコマ送りのようにじっくり見つめてしまいました。
 彼は左側をそこそこのスピードで入り込もうとしていました。と言っても、コーナーですからもちろん減速はしていますし、速い人の本気モードからすれば、ストレートでのスピードも林道慣れした人には充分問題ないレベルになります。しかし、コーナー手前で充分減速し、コーナー半ばからアクセルを開くようにしないと、今回のようにとっさの際に止まり切れずに、リアをロック気味にさせたまま直進してしまいます。右の谷側が広くなっているので、とっさにそちらに真っ直ぐ進んだと言うより、減速してバイクが立っているので、左のインベタは無理です。そこへバイクに気付いた車が自分から見て左側、すなわち谷側にハンドルを切って、T永君のバイクと当たってしまった訳です。
 「ゴン!ガチャガチャ!」と言う音とともに、その場で倒れ込むバイクを見て、彼の体を心配するとともに、「とんでもないことになった…」と言う気持ちにもなりました。
 バイクを起こすと、Fタイヤはリムが歪んでいるように見えて、チューブも破裂して自走はとても無理。T永君自体はもちろん打ち身はあるでしょうが、骨は折れておらず、立っていられたのはせめてもの幸い。ロード用のフルフェイスヘルメットが頭を守ってくれたのですが、顎をどこかに当てたのか、口内で出血していました。
 事故のすぐ後で、ミスッタさんがトランポを取りに行くものの、場所がはっきり分からない恐れがあるので、いっつあんが案内役となるべく後から追いかけて行きました。
 すると、丁度その頃事故現場にタナカさんとM井さん、T橋さんらが登場。まさか来るとは思ってもみなかったのでビックリしましたが、本当にスーパーな人達ですね。あまり一緒に時間をつぶさせても申し訳ないので、ワテらが諦めた御座山方面をお勧めして、お巡りさんが到着する前に分かれました。

まさかのピラニア団到着
ピラニア団到着

タナカさんはCRF450Xで
タナカさん

 それにしても、タナカさんはCRFにM井さんはXR400ですよ(驚。小さなXR100で250クラスのバイクを林道でカモっていた「ピラニア団」ですが、今回はフルサイズですから、さしずめ「クロコダイル団」とでも言いましょうか(笑。実は、昼食時にT永君が山の斜面に入って遊んでいる時に、「タナカさんらが山の上から『やぁ!』とか言って下りてきそうだね(^∀^)」などと皆で話していましたが、さすがにGW前半で中国地方を走ってきて、6日から和歌山方面に行くとのことでしたから、さすがに4日に日帰り茂来はキツ過ぎるから来ないと思っていたのに、ここで登場したのには正直驚きました。本当に何てスーパーな人達でしょう(笑。

M井さんはXR400R
M井さん

久々にお会いしたT橋さんはXLR125R
T橋さん

 ところで、事故についてですが、とりあえず警察に電話して事故があったことを報告しないと保険の問題が出てきますから、携帯で連絡するものの、電波が通ったり切れたりでどうもしっかりしません。警察も茂来林道の位置を把握できず、目印になるものが全くない山の中で、説明しづらいところでもありましたから、当事者間での示談だけでとも思ったのですが、人身事故は現場検証が必要とのことで、異例の「砂利道林道での現場検証」が行なわれることになる羽目になりました。一応目印は新井牧場で、親沢にあるそこから林道に入り、白岩側の茂来出口に進む方が分かりやすいでしょう。

一度だけお会いしたタナカさんのお友達はXLR200R
タナカさんのお友だち

現場検証中
事故現場検証

 でも、そう説明しても、この区間は最新のゼンリンの地図でも載っていない区間なので、警察もどうも困惑しているようです。とにかく、こちらは待つしかないのでじっとしていると、しばらくして白黒のクラウンが林道を下ってきます。まさかクラウンとは思わなかったですが、実は他から現場検証用に1Boxの事故現場御用達車が来るまで待たねばなりません。
 これによってもう午後2時頃になりましたが、事故の検証をしているうちに、トランポに乗ってミスッタさんが到着。T永君のXR230を積み込んで、一通りの作業が済んでから彼らと別れました。
 いっつあんとひろさん&ワテの3人は、そのまま茂来林道を抜け切って、県道で川久保側に戻ることにしましたが、何しろまだダートは30km未満しか走っていません。途中東山林道の入口を見て、せっかくだからここを通って県道に出ようと、せめてもの林道を味わいつつ動画撮影をしました。
 東山林道は急な登りやタイトなコーナー、荒れ気味の路面など、ハードな区間も多いのですが、とても変化に富んでいて好きな道です。いっつあんの先導で流して走りましたが、あのペースで無理なく林道を楽しむのは最高ですね。

東山林道を3人で流して戻ります
東山林道走行

ほろ苦な終了後の記念撮影
ツーリング終了後

 T永君は怪我が大きくなくて何よりでしたが、楽しさにちょっと浮かれちゃったかな。今回皆スピードを押さえて走っている中、一人やる気満々で「乗れている」のを満喫していたのは良く分かります。でも、林道3回目の割には血気盛ん過ぎましたね。林道はコースではないので、ああ言ったことは多々ありますから、仮に飛ばしていても、ベテランの皆さんはブラインドでは極力インベタ&いつでも止まれる態勢で走っています。ですから、車とすれ違うことは多々あっても(実際15年前は、林道の数も多ければ車もバイクも今とは比較にならないほど多かったですからね)、基本的に皆さん林道で事故ったことなどほとんどありません(もちろん一人でコケているのは何度も過去にあるでしょう)。と言うことで、Tさんにはいい勉強になったと思いますが、ほろ苦な林道ツーリングになっちゃいましたね。

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