ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング38〜春の桜吹雪な茂来ツーリング

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妙にウレシそうなおっさんら
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 長い冬も終わって快適な春がやってきてもほとんどバイクを引っ張り出そうとしない我々は、正におっさん道まっしぐら。ワテの場合、前日になってやっと今年最初の火入れをしたありさま。整備? 我輩の辞書にそのような文字はない。ちゅーことで、5月6日の本番に合わせて、5日に深い眠りに就いていた我がショウリョウバッタ号を軽くチェックし、出発したのは6日朝5時半。実は前日から東海方面へ行って写真撮影を楽しむことになっていたのだが、これが急遽7日になったので、ちょいと予定が狂ってしまった。世の中はUターンラッシュとのことだが、6日の中央道下りは快適そのもの。8時には野辺山に着いてしまったので、せっかくだから雪の残る爽快で美しい八ヶ岳の写真を数枚撮影。のんびりと待ち合わせ場所の国道299号の川久保交差点には9時ちょい過ぎに到着し、皆を待っていたが、今回はあまり皆さん掲示板に書き込んでこないので(←ワテもでした〜)、一体何人が来るのかよく分からん状態である。イイカゲン度はかなり高いだろう。

新しいのか古いのかさっぱり分からん皆さんの愛車
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軽1Boxに2台積んできました〜
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やっさん&いっつあんはトレーラー
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 10時にはひろさん、ミスッタ氏、やっさんの車が揃い、後は一つ目さんとタナカさんら(ピラニア団)が来る可能性があるので、しばらく待ってみたが、なかなか来ない上に電話も通じない。「こりゃあ、ピラニア団は四国だな」と皆で妙に納得しつつ、仕方ないのでそのままいつものトランポ置き場へ行ってバイク降ろしをすることにした(後で聞いたら、タナカさん&ピラニア団は次週に四国へ行くとのこと。タフですなぁ)。仮にタナカさんや一つ目さんが来てもここは必ず通るし、開けていてはっきり確認できるので問題ない。
 さて、ここで今回のメンバーの愛車を紹介しておくと、まずは手前のKSRがひろさんのおたま号。DT1-Fは保険切れで、今回もフルスロットル命な走りを楽しんでいた。
 次に並ぶのがワテのショウリョウバッタ号。ここ数回のツーリングで、Fリムに縦の亀裂が入ってしまったが、今回のツーリング後に確認したらスポークの付け根4本分くらいまで拡大していた。こりゃイカン。よく持ちこたえていてくれたものだ。
 次はいっつあんのおなじみの真鯛号。このバイクも最早チュートハンパーズの仲間入りであろう。それにしてもいっつあんはCBX750Fを売ってこのバイクに買い換えて以来、ほとんどダート用に使ってきたものの未だにきれい。いっつあんは真鯛号が良く似合う裏山散策ライダーである。
 その向こうにあるのが新婚やっさんのブルーギル号。ナゼかやっさんはホンダのウィンドブレーカーを羽織ってきたが、以前CRMでバリバリ走っていた名残りか。そのブルーギル号はとにかくきれいに使っていたが、先日ついに倒してタンクに凹みを作ってしまい(TдT)状態に。でも奥さん貰えたんだから、やっぱ(^o^)v
 一番奥がミスッタ氏のトノサマバッタ号。前日に自らプロデュースするDVD「二輪人(MotoBito)」の取材&撮影&出走のため、愛知方面のジムカーナのレースに行っていた。よって軽1Boxには中型ロードバイクとトノサマバッタ号がギュウ〜っと押し込められていた。仲間と来て、その仲間を清里において帰りにひろって行くとのことだが、後でそれがカノジョであることが判明。怒られただろうなぁ。

 トランポ置き場から出発したのが11時頃。すぐ先にある槇沢林道に入り、軽く足慣らしをする。途中から茂来山林道と合流してそのまま進むが、ここは案の定行き止まりのまま。ゲートもある。Uターンして別ルートで本線の茂来林道に出ていよいよダートも始まり心が引き締まる。途中、鍛冶の入林道に入って、抜け切らずに左に折れてまた本線に合流。ここは距離こそ大したことはないが、真っ直ぐ進むとNTTの無人の施設のところに出られ、町が一望できる見晴らしの良い道になって集落に抜けられるようになった。

槙沢林道を抜けて行き止まりの茂来山林道へ
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風が吹くと桜吹雪!
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 もう少し進むと神社があるが、ここは桜の木が何本か植えられていて、丁度満開状態であった。もちろん、せっかくだからここで一服&ビデオ撮影。ちょっと風が吹くとサワサワ〜と言う具合に桜吹雪が舞って気持ちがいい。でも、さあ、撮影と言う時にピタッと風が止むんだから、困ったもの。
 皆さんの顔もくつろぎっぱなしと言う感じで、いっつあんは完璧に裏山散策モードである。シャツを出して乗ってんだもんね。ちなみに気温は20度程度かもしれないが、体感的にはもう少し高いような気がした。結構暑い。金さんのように桜吹雪の中、肌を露出させたいものだ。

 こちらの画像は一服後のビデオ撮影からの1コマ。道はモロ砂利質で整備されているだけにスリッピーであるが、砂利を避ければそれなりにグリップしてくれる。
 それにしても皆さん頑張っちゃうこと。初めにミスッタ氏が頑張り過ぎて、フロントを滑らせて「お〜っとっと」となったものの、戻ってきてまた頑張っていた。まあ、D603でこの砂利質な路面をこんだけ倒し込めばコケない方が不思議だが、突入スピードは「ハンパねぇ」のだろう。よって倒し込みがきつくなってアクセルを開けにくくなり、リアにトルクがかからなくなるためにフロントに加重がかかって耐え切れなくなる。とまあ、こんな塩梅かもしれないが、いずれにせよこの度胸、大したもんである。ここでアクセルを回すことができるようになると、とてもかなわないスピードになる。とにかく年々速くなっていくのが目に見えて分かる。
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 2段目のいっつあんはまず逆に足を出しておちゃらけていたが、彼もまた巧いんだなー。ストレートでモーレツ回しはしないかわりに、どんなところも安定して速い。もちろんレース経験も結構あるから、無茶すればもっともっと出せるが、何しろきゃわいい2人の娘を持つ一家の主。ほどほどにしつつ、たっぷり走ると言う、実に上手なライダーであると言える。でも、このビデオ画像からして直線60km/h・中コーナー40-50km/hでは走っているようだ。
 3段目のひろさん&おたま号は多分そこらへんの250トレール乗りではとても付いて行けないだろう。とにかく全開。いくらおたま号と言えども、80ccゆえかなりのスピードになる。そりゃあコーナーの立ち上がりや登りのスピードは並みのライダーが乗っても250の方が速いに決まってるが、このコーナー画像のように走られると直線で離してもすぐ追い付かれてしまうだろう。それにしてもハンドルのグリップと路面の距離は一体何cm?
 次のやっさんは今回はマイルドに走っていたが、彼もまたレース経験豊富な腕の立つライダーである。ちなみに、この画像はミスッタ氏やひろさんのようなキツイ倒し込みは見られないが、あまり強いリーンアウト姿勢を取っていないので、これはこれで充分なスピードに乗っている。画像には見られないが、実はいっつあんが走った後でこの左側に軽1Boxが停まってしまい、それを超えてからアクセルを回し気味にしている。自分ではへっぽこライダーと言っているが、ゲロトレ好きのヤリ手であることは間違いない。
 最後はワテ。みんな頑張っちゃうからちょっと回し気味に。しかし、車が停まっていたから押さえてコーナーに入ったものの、やはりこの道は滑りますなぁ。どうせなら最後までドリフトさせて行きたいところだが、そんな気力はない(笑。

倒し過ぎじゃー
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頑張っちゃってます

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スリッピーでも気にしない
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新婚さんは一見無難に
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滑るんです
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ちょいと日陰でお昼休み
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いっつあん、また脱ぐのね
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この上にジャンバーを着ていたから、そりゃもう暑いこと
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 市の沢からの舗装区間を抜けて牛舎のところに到達する前からダートがまた始まり、さらに少し行くと信濃沢林道の入口に出る。当然ここも走るが、停まっている時もエンジンをかけっぱなしにしていたためか、この急な登りの途中で突然トルクがスカスカ状態になった。去年、KV75でも体験したことだが、KLXではそんなことはなかったので「ま、まさか電気系が…」と一昨年の北志賀でのF11の悪夢が頭をよぎったものの、とりあえず強引に峠を越えて下りに入って回転を下げつつエンジンを冷やし気味に走っていたら、すぐに回復してくれた。でも、真夏でもないのに、ナゼ熱ダレを起こしたのかなぁ。ガスの量もオイルの量も問題ないので、エアクリーナーあたりがなんか怪しい。

 信濃沢林道と支線を走ってまた本線に戻ってきた我々は、その分岐点が日陰であることに気付き、時間的にも丁度良かったので、ここで昼食を取ることにした。茂来林道周辺には食堂が全くないので、あらかじめコンビニでパンかおにぎりでも買っておかねばならない。もちろん支線に入ったり、往復したりしなければ、一気に抜けて町に戻ってそば屋等はある。いずれにせよ、国道141号の方まで舗装路を戻る必要がある。しかし、せっかくのダート天国なので、我々はここであっさり舗装路を戻るようなことはしないのであーる。おいしい食事よりダートでごっちゃんですの方がいい。

バイクも急に熱ダレ
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結構急角度です
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ミニバイクでも果敢にアタック
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やっさんもアタック
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づがれだー
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 昼食後、ちょいと飛ばし気味に深沢林道分岐へ向かって一気に走る。ここでいつもはビデオ撮影をするが、その前にまた別の支線があったので、とりあえず入ってみることにした。この道は再び本線に抜けられるいつも復路で使っている道ではなく、行き止まりの道であるのは分かっていたが、何かちょっと進化しているようで、多少距離が延びている。しかし、まだ行き止まりであることに変わりはなかった。最終地点はちょっと開けた草地で、どうやら木材の伐採に使っている道らしい。横に結構急な斜面があり、いっつあんらがここを降りて遊んでいたが、果敢にKSRで降りたひろさんはあの小さなエンジンではここを登れなかった。
 ミスッタ氏はどう言う訳か何とここで突然スタンドのスプリングを折ってしまい、あちゃー状態に。でも応急処置用のグッズは誰かが持ってきているはず。実際、ひろさんが大小のタイラップを持っていたので、これを上手に使ってちゃんとスタンドを出し入れできるようにして事なきを得た。それにしても、「誰かが持ってきてくれるだろう」と言う信念のもと、ワテは今回も工具以外なーんも持って行かないのであった!(←誇れねーっちゅうの!) 以前は瞬間パンク修理剤など最低限のものを必ずバッグに入れておいたが、今ではあれを家のどこへ置いたかすら分からない(笑。でも、ここ10年以上、パンクしたことがない。以前に比べて釘が落ちている割合はぐっと減っているように思うんすが、皆さんどう思います?

ここでピラニア団の団長に出会うとは〜
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 さーて、また横道にそれて遊んでしまったが、今年は深沢林道の分岐ではなく、奥にあえて入ってどうなっているのかを調べつつビデオ撮影することにした。ここでは谷を隔てた本線が見えるので、皆で走る姿をビデオに納めるのには好都合である。ポイントでちょっと休んでいると、本線側から爆音がこだましてきた。あの音、なーんかピラニア団っぽい雰囲気である。CRFかXR650をがばっと開けるあの感じ、なーんか怪しい。こちらからでは小さくてなかなか見えないものの、服装からして間違いなさそうだったのでやっさんがホーンを鳴らすが、シェルパの「ぴぃぃぃ…」と言うホーンじゃ聞こえるはずもない。で、ミスッタ氏が呼びに行くことにした。

 当初ピラニア団の面々かと思っていたが、2番手以降がちょっと遅れているのでちょっと違うようにも思っていたが、しばらくしてタナカさんを連れてミスッタ氏が戻ってきたが、何とタナカさんは自走で別の知り合いと国道299号を抜けてきたらしい。その我々の知らない仲間はそのまま直進したので、どういう面々かは分からなかったが、遅れがちになりつつもタナカさんと一緒に走っていられると言うことは、それなりの腕前の人達なのだろう。それにしてもタナカさんは以前乗っていたXR650Rは重くてダメだ〜と言ってソッコーで売ってしまったのに、今回はもっと重いXR650Lをいつの間にか購入して来ていた。やはり「走らねー」と言って爆走していたが、この人って一体…(笑。

台風のように一気に消えていきます
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こちらは春雨のように去りましょう
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 先に行った連れを追いかけてズドドドッと走り去ったタナカさんと別れた我々は、ビデオ撮影しつつ、トコトコと茂来林道を抜け切り、休むことなく東山林道に入ってまた戻ることにした。これは例年通りであるが、ちょっと異なるのは東山林道が進化していることである。この道はそのまま抜け切ると9km程度の道になるが、去年のツーリングで途中左に折れて茂来本線に戻る横屋沢林道が開通しているのを発見した。

ちょっと霞みがちだけど、茂来山はいいですなー
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 東山林道に入って荒れ気味の登りを走りつつ、ふと右を見ると「←四方原山」とある分岐が目に留まった去年タナカさんらが間違えて進み、変なとこから出てきた例の道なので、実際走ってみることに。狭くて荒れてはいるが、行き止まりではなく立派にまた東山林道に出られる。さらにまた右に折れる道があり、ここも入ってみるとやはり数km走って東山林道に出られた。結局山の向こう側を走るルートが新たに2本も開通していた訳である。茂来本線の舗装化がじわじわ進むものの、支線の開通もこっそり行われているので、茂来で充実感もらいまくりと言う感じ。(←あのー、モロおやじギャグってますが…)

そろそろ尻が痛くなってきましたな
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ええ、行き止まりでしたよ!
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妙にコソーリなオサーンら
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 東山林道を一旦抜けた我々は、今度は舗装化された茂来本線の最終地点を再び下り、途中左にある横屋沢林道に入ってまた東山林道に向かう。横屋沢ではファミリーカーが下ってきたので、チェーンゲートがあって車は茂来林道には出られないことを伝えてやったが、荒れた路面にやられたのか、その車はボボボ〜っと言う排気音がしていた。
 東山林道に出て先ほどは通らなかったルートで白岩の集落に戻った我々は、しつこくまた茂来林道を戻って臭い牛舎の先までダートを楽しみつつ、親沢の集落から舗装路で小海線方面に向かった。例年ではこの途中からまたダートを上って茂来林道に出て戻っていたが、さすがにおっさん化が一層進行する我々にはもう尻が痛くて疲れたので、今年はあと1本だけ支線を走って帰ろうと考え、去年完抜になったことを確認した鍛冶の入線を下から入ろうとして、馬流の集落付近で送電線の鉄塔に注意して入り口を探した。こちらから登ったことがないので、案の定入り口がよく分からず、いくつかの行き止ま林道を往復して、結局市の沢まで戻って、知る人ぞ知る“茂来城”のあるところから再び茂来林道に入って戻ることになってしまった(後で確認したら、馬流よりもっと北上しないとアキマヘンでしたぁ)。ここはやる気満々な往路では一気なんすが、疲れて走ると結構長いのよね。
 なんだかんだ言って、トランポ置き場に戻ったのは5時頃。やっさんのシェルパのメーターでは130km以上走っているから、ダートだけでも100kmにはなるようだ。まあ、あんだけ支線も走ったのだから、そのくらいにはなるだろう。これでも細々とした支線を全て走った訳ではないので、全部走破すると本当にものすごいことになる。南関東から日帰りできるところで、林道間をあまり移動せずに100kmダートを楽しめるのは、この茂来周辺以外では沼田の栗原川林道、いわき北部の乙次郎林道周辺か南部の四時川ないし折松林道群くらいだろう。奥日光は志津林道・田代山林道の閉鎖や大川林道・塩那道路の廃道化のため、めっきり距離が短くなってしまったし、舗装化著しい御荷鉾林道周辺など既に思い出の道である。こうしてみると茂来林道は、神様みたいな存在である。

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