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Zorki 1c (Double Name)

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種類: 1c (Double name)
発売年: 1951〜1953年頃
メーカー: KMZ
サイズ: 134x69x33mm(本体)
重量: 400g(本体のみ)
シャッター: 布幕横走りフォーカルプレーン Z、1/20〜1/500秒
ファインダー: 二重像合致二眼式
標準レンズ: INDUSTAR-22 50mm F3.5(沈胴式)
レンズマウント: L39・スクリューマウント
分類番号: グループ1a

 ゾルキーは年代別に大きく分類して、初代のType-AからType-Eの4種類に分類される。写真はType-Cの輸出仕様で、通称「ダブルネーム」と呼ばれる。それは天部に刻印されているロゴがキリル文字(ЗОРКИЙ)とラテン文字(Zorki)が併記されていることに由来する。

 外観はライカDUそのものである。非常にコンパクトなボディであるが、その分重量感は非常にある。フィルムの巻上げはレバーでなくノブを巻くタイプ。シャッター速度の変更はチャージ状態にて行う。シャッター速度は、低速側が1/20、1/30、1/40、1/60と非常に細かく分かれている。実際は精度的な関係で意味の無いような気がするが…。

 ファインダーが二眼式というのも面白い。後ろから見て左側がピント合わせ用で、ほぼ等倍となる。右側が構図合わせ用となる。フィルムの装填も底蓋を開けるタイプで、面倒な気もするが実は慣れると、これが楽しい作業となる。
 写真のゾルキーは持ち主の趣味により本革貼りのボディとなっているが、ノーマルのグッタペルカもどきはライカのようなゴム系でなく完璧な樹脂系(ヴォルカナイト)の硬いものである。これはこれでベトつかずお手入れも簡単で良いのであるが、硬いため欠けやすい。これを剥がすためには、塗装の剥離剤を使う方法とお湯で煮て柔らかくする方法がある。分解ができる方なら後者を勧める。
 シャッターを押した時の音であるが、ライカの「コトッ」という感じを期待してはいけない(笑)。どちらかというと「カンッ」という金属的な音である。
 標準レンズのインダスター22であるが、沈胴式でありゾルキーのコンパクトなボディに非常によくマッチする。ポケットにさえもしまえる(重量さえ気にしなければ)。

作例:「ラヂオ体操」

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ゾルキー1c

インダスター22
50mm F3.5

シャッタースピード〜1/500秒

絞り〜f8

 インダスター22の写りであるが、背景のボケは渦を巻くタイプである。しかしf5.6前後を使うと線のしっかりした味のある写りをする(と思う)。

by いっつあん

Zorki 4

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種類: ゾルキー4
発売年: 1962年
メーカー: KMZ(旧ソ連)
シャッター: B.1〜1/1000秒
サイズ: 145x85x30mm(ボディのみ)
重量: 600g
標準レンズ: インダスター50mm F3.5(L39スクリューマウント)
生産台数: 多いが不明?
シリアルナンバー: 62120441
分類番号: グループ1b

 このカメラは、やはり旧ソ連のライカコピーであるフェドの技術者によって、モスクワ郊外クラスノゴルスクでつくり始められたゾルキーで、こちらでご紹介するモデルは1962年製の4型である。シリアルナンバーの最初の2桁は製造年を表しており、革命50周年に当たる1967年製のゾルキーには軍艦部に50の文字と釜とハンマーが赤でプリントされているものを見かける。

 ファインダーは一眼式の等倍で視度補正レバーも付いておりクリアーで見やすく、シャッターはスローも一軸の中にあり使いやすい。スローの1/15、1/8、1/4は赤字で、他の目盛り表示は黒で刻印されているため、経年で消えることもなく見やすい。ただ、シャッタースピードは落とし込み式で、現在のクリック式とは違い操作に手間がかかり面倒であるが、これもクラシックと思えば許せる範囲である。

 また、巻き上げはノブ式であるが、これがゴリゴリ感一杯でフィルム2本で指にマメが出来そうな代物である。これも旧ソ連の利益至上主義の産物か? ただ、旧ソ連安定期の製造であるためか操作感に比して外観の仕上げ、工作精度は捨てたものでない。無骨な古武士的風格で、私の好きなカメラの一つである。

作例:「暑い夏」

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ゾルキー4

ジュピター8 50mmf2

絞り〜f8

シャッタースピード〜1/1000秒

フジ・ネオパンプレスト400

 レンズは購入した時には標準のインダスターでなくジュピターが付いていたが、よく写ると言われているインダスターを物色中。

by やぶ椿

ZORKI-4の分類

ゾルキ4-50周年記念モデル
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写真3
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写真4
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写真5
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写真8
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 ZORKI-4は、大まかに言って、前期(〜60年頃)、後期(〜73年)の2つのバーションに分けられる。

 初期型の特徴は以下の通り。
(1)ファインダー窓枠がある(写真1左)
(2)シューの四辺に螺子穴がある(写真2左)
(3)シャッター速度が旧国際系列である(写真3左)
(4)ロゴや各指標が刻印である
(5)アイレットが太い(写真4左)
(6)貼り革が模造皮革である
(7)ロゴが初期ロゴと言われるキリル文字である(写真5)

 この初期型は、さらに
(1)生産国表示がないもの
(2)東側諸国への輸出のためか、生産国表示がキリル文字で刻印されているもの(写真6左)
(3) 57年製の「モスクワ青年大会記念」の刻印がされているもの(未確認)、の3種類に分類されるようだ。

 一方、後期型は、細かく見ると16種類ものバリエーションがあり、全てに共通する特徴を列挙してみる。
(1)ファインダー窓枠がない(写真1右)
(2)シュー四辺ではなくシューそのものに1箇所螺子穴がある(写真2右)
(3) シャッター速度が倍数系列である(写真3右)
 このように共通点は3つしかない。以下にその違いをまとめてみたので、各バリエーションの特徴をご覧いただきたい。なお、ここで使われる記号は分類のために便宜的に振ったものである。

◎ 後期型A 貼り革が模造皮革でアイレットが細い。
A-1 ロゴと各指標が刻印
A-1-a 初期ロゴ(キリル文字/写真5上)で生産国表示なし
A-1-b 中期ロゴ(キリル文字/写真5中)で生産国表示なし
A-1-c 後期ロゴ(キリル文字/写真5下)で生産国表示なし
A-1-d ラテン文字ロゴ(Aタイプ/写真7)で英語の生産国表示(写真6左)あり
A-1-e ラテン文字ロゴ(Bタイプ/写真7)で英語の生産国表示(写真6左)あり
A-2 ロゴと各指標が印刷
A-2-a 中期ロゴ(キリル文字/写真5中)で生産国表示なし
A-2-b 後期ロゴ(キリル文字/写真5下)で生産国表示なし

◎ 後期型B 貼り革がビニールでロゴ&シャッター指標が印刷
B-1 アイレットが細い(写真4中)
B-1-a 中期ロゴ(キリル文字/写真5中)で生産国表示なし
B-1-b 後期ロゴ(キリル文字/写真5下)で生産国表示なし
B-1-c B-1-bの軍艦部上にソビエト政権50周年記念ロゴ(写真8左)が入ったもの
B-1-d B-1-bの軍艦部背面に黒で10月革命50周年記念ロゴ(写真8中)が入ったもの
B-1-e B-1-bの軍艦部背面に赤で10月革命50周年記念ロゴが(写真8右)入ったもの
B-1-f B-1-bの軍艦部背面に10月革命50周年記念ロゴ(B-1-d,B-1-eとは別デザイン)が刻印されたもの
B-1-g B-1-bの軍艦部背面にオーロラ号記念ロゴが刻印されたもの(未確認)
B-2 アイレットがない(写真4右)
B-2-a 後期ロゴ(キリル文字/写真5下)で生産国表示なし
B-2-b ラテン文字ロゴ(Cタイプ/写真6右)で英語の生産国表示あり
 B-1-c〜gの各モデルは、いずれも1967年製。なお、ブラックモデルやロゴが赤文字になっているモデルも存在するが、これらはいずれも後世の改造と思われる。
 なお上記は、筆者が直接観察した結果、ネット上の画像などによって分類したものであり、また一部を推測で補っているところもある。誤りや未発見モデル等があれば、ご連絡いただけると幸甚である。

by 越渓

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