キエフは唯一無二のコンタックスタイプのカメラで、ドイツ、ドレスデンのカール・ツァイス・イェナで戦時賠償のため生産されたコンタックスにその祖を求めることが出来る。キエフのコンタックスタイプは、カール・ツァイス・イェナでコンタックスとともに1947年10月から製造が始まり、製造ラインがアーセナル工廠に移送された後40年間に渡り製造され、6種のバリエーションに進化、変態を遂げて1987年に生産終了した。
【歴史】
単純にコンタックスコピーと一言でかたづけられてしまっていたが、キエフは生い立ちが複雑である、その複雑さに加えて情報の少ない旧ソビエト製なことも手伝って本当の姿はなかなか現れてこなかった。しかし、近年はコレクターが増え、研究も進み、今までの常識は過去のもとなりつつある。
キエフはコピーコンタックスというよりも、カール・ツァイス・イェナの製造ラインで生産されたコンタックスそのものであり、赤軍に収奪されてキエフに移されたのではなく合法的な戦時賠償のひとつの結果であった、というのがキエフについての最近の認識だ。活発な研究家によって、当時カール・ツァイス・イェナのラインをソ連で稼働させたエンジニアのインタビューも録られており、キエフの発掘は最終段階へ入ろうとしている、いちキエフファンとして、もっとキエフの面白さが知られるようになるのを願ってやまない。 |