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Witness

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発売年: 1950年
メーカー: ILFORD
サイズ: 136x73x80mm
重量: 790g
シャッター: 布幕横走りフォーカルプレーン T.B.1〜1/1000秒
標準レンズ: Super-Six 50mm F1.9
f1.9〜f22
レンズマウント: オリジナル・バヨネット(L39ライカ・スクリューマウント可)
生産台数: 400台未満
シリアルナンバー:
分類番号: グループ3

 ジェントルマンの国イギリスで生まれたこのコピーライカは、ライツとツァイスとの血統を受け継ぐカメラと言っても過言ではないが、最早コピーとは呼べないかも知れない。 Witness6a.jpg
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 このウィットネスは、イルフォード社のカメラであるが、実はライツ社で光学設計者として働いていたユダヤ系ドイツ人ロバート・スタンバーク(ユダヤ迫害から逃れてイギリスに逃れてきた)とツァイス出身のD・A・ロスチャイルドが共同で製作したカメラである。

 このカメラはカメラ雑誌などに951年ごろに登場したが、1年あまりで市場から姿を消した、寿命の短いカメラだったのである。
 ウイットネスは独特な流線フォルム、平らな軍艦部にアクセサリーシュー(バネ式のカバーが付く)の処理もなかなかにくい作りになっている。また、Contax I型のように裏蓋部分が外れて、簡単にフィルム装着ができるところや、レンズのマウントはバイヨネット+ライカスクリュウマウント(パララックス自動補正、不回転シャッターダイヤル)といった、当時では斬新な機構が多々採用されている。しかし、多機能にした結果大量生産できず、またコストもかかり高額になったため、400台未満しか世の中に出て行かなかった。

 ところで、ウィットネスにはイルフォード製とイルフォード銘が付いていないバージョンがあるようだ。また、バヨネットタイプと、後期にはライカスクリュウマウントしか対応していないタイプもあるとは聞くが、事実かどうかは定かではない。
 標準の搭載レンズとしては、ダルマイヤーのレンズも採用している。初期に少数であるが、50mm F2.8ダロン、その後スーパシックス50mm F1.9、(スーパシックスのレンズ先端が白のものと黒のものがある)が標準レンズとなっている。試作品としてセプタック50mm F1.5のレンズも存在しており、販売に成功していたなら、さらに35mmや85mmなどのレンズも製作していたらと思うと、本当に残念である。
 スーパーシックスはライカのDRズミクロンみたいに近接撮影ができる。45cmまで撮影可能であるが、1m以下では距離計は連動しない。一般撮影の際は、ダルマイヤーの独特な描写で開放は非常に柔らかくフレアも出るが、被写体の芯はしっかりしており、ボケも滑らかで自然である。絞るとシャープになるが、滑らかで柔らかい描写は残っている。
 ウィットネスはRFカメラの最高を目指し、彗星のように現れ消えていったイギリスカメラの最後の輝きであるといっても過言ではないと思う。 

by ジオグラフィック、T-REX

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