Gamma II (R,Aeronautica)
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発売年: 1948-1949年
メーカー: Officine Meccaniche di Precisione
サイズ: 135x77x66mm
重量: 600g
シャッター: 横走りメタルフォーカルプレーンシャッター
B,1,2,5,10,20,30,50,70,100,250,500.1000
標準レンズ: Koristca Victor 55mm F2
レンズマウント: L39ライカ・スクリューマウント
生産台数: 700台前後(II型の総数)
シリアルナンバー: 10319
分類番号: グループ3 |
イタリア製ライカコピーカメラの中で、もっともユニークなのがガンマである。何がユニークか? カメラのデザインもそうであるが、その機構が非常にユニークで、ライカコピーとは呼べないのではないかと思われる。曲面状のメタルシャッター幕にはじまり、ダブルマガジンを使うため巻き戻し機構が無く、裏蓋の開閉構造がライカとは全く違っている。
このガンマ、普通のII型(書籍によってIII型とあるが、私には詳細は分からない)と違っていて、向かって右肩に"R.Aeronautica"と刻印されている。つまりイタリア空軍用ガンマというわけである。 |
一般的に空軍用は、"Aeronautica Militare"と刻印され、レンズにはOfficine Galileo 50mm f2が付いているが、このガンマにはVICTOR KOSISTKA 55mm f2が付いている。しかも、このレンズの前面には55mm f2.8と刻印されているが、実際には絞りはf2まであり、被写角深度の表示もf2と刻印されている。やはりイタリア製と言うしかないのか、それとも偽物空軍用なのかは、このカメラのみが知ることなのであろう(シリアルNo.でわかる?)。大口径レンズ好きな私にとって、偽物だろうが本物だろうが問題ではなく、問題はレンズの写りなのである。 |
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ガンマを使ってみると使いづらいのであるが、巻き戻しが出来ないことを除けばバルナックライカよりは使いやすいのではないかと思う。
ガンマII型,III型はライカ・スクリューマウントなので、ライカ用レンズが付けられるが、フランジが少し違い無限が来ないことがある(無限が来るものもあるようで、これもイタリアカメラのなせる技なのかと思ってしまう)ので気をつけるべきだろう。
VICTOR KOSISTKA55mmf2の描写であるが、軍用レンズなのかイタリア製にしては優秀だと思われる。開放で像も色彩も柔らかく、ボケも悪くはないし流れもそんなに気にはならない。絞っても、その傾向はあまり変わらないが、シヤープネスは上がってくる。
ところで、ガンマのレンズ群をご紹介しておくと、
Officine Galileo Tesog 35mmf4.5 同 Eptamitar 50mmf2
Koristka Victor Gamma 55mm f3.5 同 f3.5
Som Berthiot 50mm f3.5 同 f2.8 同 55mm f1.5 Angenieux 50mm f1.8 同 f2.9
Xenon 50mm f2 Unidentified 50mm f1.5 Filotecnica Gamma 90mm f4
などがあるようだ。 |
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Gamma III (France Version)
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作例:「燃ゆる秋」
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Gamma III Som Berthiot Flor 55mm F1.5
シャッタースピード〜1/1000秒 絞り〜f1.5
開放で、ぼけがぐるぐる回る描写をするが、これも有効に使えば面白い写真ができるし、バックをすっきりした背景にすれば、ボケも流れずまた違った描写にもなる。正に使い方が楽しいレンズで、現代のレンズでは絶対に不可能な表現のできるレンズであるだろう。 |
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Gamma III (Synchro)
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発売年:1950-1951年
メーカー: Officine Meccaniche di Precisione
サイズ:136x78x78mm
重量:700g
シャッター: 金属二枚板横走りフォーカルプレーン B.1〜1/1000秒
標準レンズ:Angenieux 50mm F1.8
レンズマウント: L39ライカ・スクリューマウント
生産台数:700台未満(うち、シンクロ200台程度)
シリアルナンバー: 11395
分類番号: グループ3 |
専用バヨネットマウントのためさっぱり売れなかったI型を改良して、L39マウントにしてII型を発売したが、その後巻き上げノブとカウンター周り、ファインダーアイピース等を変更して登場させたのがこのIII型である。実際にII方との差はあまり大きなものではないが、I型とは底面のマガジンの開閉ノブ等も加えられたことや、コロの位置など、変更点が多い。また、III型は最後のおよそ200台程度がシンクロモデルとなっており、その当初はシャッターダイアルの首に黒いリングが見られ、それを回してシンクロタイミングを変更するようになっていたが、画像の最終ナンバーに近いモデルでは省かれている。 |
ガンマにはこの他に距離計を省略した"mod.I"やII型からスローシャッターを省いたモデル等が極少数作られた。また、標準レンズも多彩で、あちらこちらのレンズが付けられて売られていたようで、例えばイタリア国内の広告などで見られないレンズも数多く出回っていたことが伺える。基本的にはI型はコリストカの55mm F3.5で、II型はコリストカ以外にソム・ベルチオの50mm F2.8やシュナイダー・クセナー50mm F2.8が一般的であった。空軍モデルはガリレオ・エプタミター5cm F2が見られる。III型はII型に準じるがシュナイダー・クセノン50mm F2等が加わっている。 |
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交換レンズはソム・ベルチオのアンギュロール28mm F3.3やフロール75mm F2.8、オフィチーネ・ガリレオのテーソグ3.5cm F4.5、フィロテクニカ・ガンマ 9cm F4、コリストカのヴィクトール105mm F3.5等があったそうだが、これらはほとんどがスクリューマウントのもので、I型バヨネットマウント用が作られたかどうかは定かではない。
さて、実際にガンマIII型を手に取ってみると、やはりあのシャッターの"逃げ"のこぶが他のライカ型カメラと違う感覚を生むが、うまい具合に配されていてちょうど良いグリップとして働いてくれる。シャッターを切ると確実にI型の大きなショックとは異なった、柔らかで、それでいてはっきりとした横揺れを感じる。これは金属板の止まる際の衝撃がもたらすのであるが、III型はショックアブゾーバーが改善されているため、何やら実に不思議な感覚である。 |
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作例:「見てまっせ」
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ガンマIII型 ソム・ベルチオ・フロール50mm F3.5
シャッタースピード〜1/100秒 絞り〜開放 Agfa Vista 100 ナニワカラーキット現像
現在ガンマ用にアンジェニューS1 50mm F1.8とソム・ベルチオのフロールを使用しているが、ここで使ったフロールはガンマから発売されたものではないようだ。しかし、基本的に同じレンズなので気にせず使っているが、一般撮影をする限り描写はあまり褒められたものではなく、無限遠状態で右側に結構はっきりとした流れができる。これは絞り込んでもあまり変わらない。作例のように近接撮影であると左に出ているはずであるが(左上の赤い柵が歪んでいる)、ボケでごまかしてしまうとはっきりしないだろう(笑)。発色は穏やかである。アンジェニューはどこまでもシャープと言った感覚であるが、やはり比較的地味な発色を見せる。 |
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