TOPCON CLUB(トプコンクラブ)〜その他の愛機
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さて、標準レンズについてであるが、ノリタール80mm f2は4群6枚のガウス型でマルチコーティングが施されている。最も注目すべき点は開放値がf2と明るいことで、これはリトレック6X6のリトロンレンズの時代から開発されており、当時としては非常に稀なことであった。当時の中判カメラ用標準レンズの明るさは、ほとんどがf2.8で、アサヒペンタックス6X7だけがf2.4と若干明るかったが、ノリタールは更にこれの上を行き、全中判レンズ中最も明るいものであった。以前のカメラ雑誌ののテストレポートを読むと、その性能は高く評価されており、特にアサヒカメラのニューフェース診断室では球面収差量・焦点移動量ともに極めて少なくて良いと書かれている。解像力でも極めてシャープと表現されているように、大変優秀なものである。実際に使ってみると、私の印象ではホースマン用のスーパートプコール105mm f4.5にも見劣りしないものであった。色はどちらかと言うと冷色系かと思われるが、ネガで撮影する限り気になるものでもなく、比較的正確な色で写ってくれる。コーティングはアンバーを母体として、シアン系とマゼンタ系の色が加えられていて、何かREオートトプコールのものと良く似ている。 |