Petri FT EE & FTE

PETRI FT EE
 

PETRI FT EE 前期型

 ペトリ・ペンタVシリーズは65年にV6になり、67年にはフレックス7系列のボディを使ったTTL絞込み測光機のFTをデビューさせていました。それらの二つの特徴を合わせたV6のTTLモデルが出るかと思いきや、それを飛び越して69年には突如このFT EEがデビューしました。これは全く新しい機構を組み込んだTTL-EE機でした。
 TTLの登場は1963年のトプコンREスーパーが初で、最初から開放測光を達成していました。翌年のペンタックスSPは絞り込み測光でTTLを達成していて、複数のメーカーがPマウントを使っていたことに加え、東京光学の特許を回避するために、絞込み測光を採用するメーカーもありました。ペトリはスピゴットマウントなのでレンズの固定位置の狂いはないものの、設計しやすい上に特許料を支払わなくて済む絞込み測光を採用し、できるだけ使い勝手を良くするために絞り込みレバーをシャッターボタン脇に置く工夫を施したFTを67年に発売しました。

 そんな60年代後期のカメラ業界では、レンズシャッター式のファミリーカメラの場合とっくの昔から自動露出機構が当たり前でした。一眼レフではトプコン・ウィンクミラーSが63年にセレン光式外部測光ながら、シャッターと絞りに連動したレンズ全群交換式のEE一眼レフを完成させ、同じ年にコーワがレンズ固定式ながら、プログラムオートを採用したコーワHを発売しています。翌64年にはついにトプコン・ユニが完成し、世界初のTTL-EE一眼レフが登場しますが、実はこれらは皆レンズシャッター式の一眼レフでした。当時のTTL-EE機構は、レンズを通った光の明るさによって位置を変えたメーター(シャッタースピードに連動して少し回転します)の針を、シャッターを押すことで同時に階段状の金具が下りてきて押さえ、その下降分の位置からメーターの針の指しているところを判別し、それに応じた絞り値を算出して、マウント側にその絞込み情報を機械的に伝える仕組みでした。
 プログラムEEはコパルが専用のシャッターユニットを完成させていて、これを使うことで容易に自動露出が可能になっていて、国産ファミリーカメラは多くがこれを採用するようになっていました。これに対し、フォーカルプレーン式のカメラは当時高級な位置付けで、ハイアマチュア層御用達のイメージがありました。レンジファインダー機は65年のキヤノン7Sが唯一生産されていましたが、60年代半からはいよいよフォーカルプレーン式一眼レフの全盛時代になります。しかし、63年から始まるTTL化への波は、全メーカーに浸透するには3〜4年の間隔があり、その上さらに自動露出化には各メーカーとも消極的でした。当時の風潮として、「自動露出=ファミリーカメラ」的な印象が根強く持たれていて、ハイエンドモデルにはこれを敬遠する向きがありました。トプコンでもアマチュア向けの廉価版モデルのレンズシャッター機のユニにEE機構を組み込みましたが、フォーカルプレーン機でも、シャッター優先式なら機構的にはレンズシャッター機のものとEEの構造は何ら変わらないので、出そうと思えば簡単に作れたはずなのに、それでもあえて作りませんでした。その他のメーカーでも同じ印象でしたが、フォーカルプレーン機のEE化に積極的だったのはコニカで、まずは外部測光式ながらコニカ・オートレックスを65年に発売しました。それでも、TTL-EEとなるとしばらく間が開き、68年3月にようやくFTAを完成させ、フォーカルプレーン機としては初めてのEEモデルになりました。レンズシャッター機のユニから4年も経過していますが、それくらいフォーカルプレーン式一眼レフにEEを組み込むことには各メーカーとも腰が重かった訳です。
 コニカがFTAを出して、いよいよ各メーカーともTTL-EE機に力を注ぐようになってきましたが、キヤノンは69年10月にEX EEを出したものの、これはレンズ前群交換式で、以前のアマチュア向けレンズシャッター機をフォーカルプレーンにしただけのようなものでした。次に登場したのがこのペトリFT
EEで、69年11月に発売されました。この後、各社から発売されましたが、71年の絞り優先式のペンタックスESが発売されてから一気にTTL-EEの波が大きく押し寄せることになりました。こうして振り返ってみると、当時のペトリはかなり先進的な目を持ったメーカーであったように思えますね。このモデルの詳細は次項にまとめます。
 なお、「EE」とは「Electric Eye」の略で、シャッター優先式AEを指し、絞り優先式は「ES」すなわち「Electric Shutter」がAEの方式名になりますが、初の絞り優先AE機のペンタックスESの機種名との混乱からでしょうか、この後自動露出機は「TTL-AE」に一本化されて呼ばれました。ちなみに、その他の方式で「PS=Program Shutter」方式がありますが、ほとんどTTL-PSなんて言い方はされませんね。

 

PETRI FT EE 後期型

 フォーカルプレーン式TTL-EE一眼レフとしては早い時期に登場したペトリFT EEは、フラッグシップ機のフレックス7のボディを用いずに、フルマニュアル機だったV6のコンパクトなボディをベースに作られました。当時の自動露出機構ですから、前項で述べた針押さえ式のシャッタースピード優先式EEになります。
 ボディデザインはV6をそのまま引き継いでいますが、ロゴマークもV6と同じく初期は白抜きで、後期は右の画像のように普通の黒文字になりました。
 露出計のCdSは定番のファインダーアイピース両脇に置かれ、全面平均測光になります。電池Boxは軍艦部向かって右側面に埋め込まれ、EE機構の追加のためにセルフタイマーの取り付け台座の部分が前に押し出されています。露出計の補正のためにASA感度ダイアルがシャッターダイアル内に設けられ、外側のリングを持ち上げて回転させて所定のASA感度値に合わせて、シャッタースピードと共にメーター本体と連動させています。

Petri FT EE
  

 TTL-EE機構を組み込む際に、最も面倒なのが絞りとの正確な連動です。それまでのレンズは、ただ絞り込みピンが出ているだけで、これを横にずらすことで絞り込んでいましたが、今度はボディ側から適切な絞り値を伝えられ、それを受ける機構がレンズ側になくてはいけません。そこでペトリが採った方式は、ボディ側がメーターで測った光の量とシャッタースピードで判定した絞りの値を、アームで押し出してレンズ側に伝えるパーツをマウント内部の向かって4時の位置に設けました。このアームはもちろん光の量・シャッター速度に応じて押し出される量が変化します。それをレンズ側に出っ張ったピンが受けて、その押込まれる量に応じて、下部にある従来通りの絞込みピンが動かされることで、絞りが様々に開閉される仕組みです。しかし、問題はそれで終わる訳ではありません。レンズを交換した際、それぞれのレンズの開放値が異なれば、当然入ってくる光の量は変わります。例えば、f8の絞りをメーターが指したとして、開放値がf1.8の標準レンズの場合は、明るい光を測ってf8と判定するのに対し、開放値が暗いf4のレンズでは、暗い光を測ってしまい、メータはf8を示してくれずに2段階低いf4を示すことになってしまいます。これを補正しないと開放測光が成り立ちません。つまり、交換レンズの開放値をボディ側に伝達させておかないと、絞込み測光でしかTTLは使えない訳です。トプコンREスーパーが開放測光を実現したのは、レンズマウントにこの開放絞り値の伝達機構を加えたことにより達成され、これが特許になりましたので、以降、各メーカーとも開放測光にするにはこれを用いるか、ニコンの通称「ガチャガチャ」のようにレンズ交換時に絞りリングを回して、どこまで回るかで開放絞りをボディ側が認識する独自の仕組みにするか、はたまたミランダのように交換レンズの開放値を手動でボディ側にセットするダイアルを別に設けるかしなければなりませんでした。ペトリFT EEでは、レンズ側マウント後端の筒の一部に突起があって、これが開放値毎に出っ張りの長さを変えてあるため、ボディ側のカムがこれによって押込まれる量で開放値を判定しています。標準レンズにはF1.7にもF2にもこの突起はないので、その辺は測光誤差範囲と割り切っているようです。ペトリはスピゴットマウントなので、バヨネットマウントのようにレンズ本体をひねることがなかったために、絞りの開閉こそ他社のバヨネットマウントと同様に爪が横方向に動くパターンでしたが、開放絞りの伝達や自動露出の絞り量の伝達は、横方向で動かすのではなくて、縦方向で行なっている点が特徴になっています。これが後にM42マウントながらシャッター優先AEを達成したOEMモデルのEXAKTA FE2000にも反映されました(詳しくはM42 OEMモデルのページを参照)。
 こうして開放測光になって初めてシャッター優先式TTL-EEは成り立ちますが、もちろん交換レンズは専用のシリーズを新たに揃えないといけません。ペトリは28mm F3.5、35mm F2.8、135mm F3.8、200mm F4、85-210mm F4.5について「EE Petri C.C Auto」と言う名でEE対応のレンズを発売しました。当然、従来のEE機構を持たないC.C Autoレンズも、絞込み測光で用いることができますが、絞込みボタンはボディ側に付いていないので、レンズ側を手動絞りにして絞り込んでからの測光になります。
 ファインダーには1.8から16までの絞り値が右側にプリントされ、針がこの間を動きます。それより上にも下にも赤いゾーンがあって、ここに針が入ると測光範囲外になります。また、1.8と2の間にはオタマジャクシの尻尾が曲ったようなマークが右に付いていて、この点の位置が正確なf2の位置になることを示します。また、2と2.8の間の左側に青い○マークが付いていて、これが絞り込み測光時の定点位置になります。絞り込んでここに針を合わせれば良い訳です。
 シャッタースピードはペンタVシリーズと同じB,1/2〜1/500秒までですので、常用範囲ではありますが、少々物足りないのは確かです。シンクロも従来通り30と60の間にXマークがあり、幕速はちょっと遅目です。ただし、V6やFTまではなかったホットシューが設けられ、ストロボとの連動が容易になりました。

 

Petri FT EE Black finished
 

PETRI FT EE
Black finished

 FT EEは73年のFTEに切り替わるまで4年間生産されました。それらは細部こそ小変更がありましたが、初期型のみプリズムカバー前面のネームがFTと同じような白抜き字体になっている点で、一目で違いがわかります(一番上の画像)。最初期のロットの個体はV6と同じ巻き上げ軸の皿ねじは角の傾斜が大きいタイプのものが使われていました。さらにセルフタイマーの台座のふくらみがなく、すっきりした印象でしたが、機構的に無理があったのか、これはすぐに変更されました。
 FT
EEが登場してしばらくして、ブラックボディも+1000円の価格設定で登場しました。シャッターボタンとスピゴットマウントのリング、セルフタイマーのカニ目ネジ以外は全て黒塗りに仕上げられています。

 ペトリはコンパクトなVシリーズボディにTTL機構を組み込むだけでなく、FTですら達成していなかった開放測光で、しかも一気に自動露出化したFT EEを早期に発売しましたが、これは地味ながら大変先進的なカメラであったのは確かです。コニカFTAやキヤノンEX EEの後塵を拝したとは言え、他社のTTL-EE機よりも断然早い時期に成し遂げていたのですから、賞賛に値するカメラだと歴史が証明していると思われますが、いかがでしょうか。

 

PETRI FTE

 FT EEを発売していたペトリは、70年にV6のマイナーチェンジモデルのV6IIを発売し、71年にはFTを小変更したFT IIを送り出しました。しかし、根本的なところから変えたフルモデルチェンジをするだけの余裕はなかったようで、73年に登場させたこのFTEも、内容はFT EEのマイナーチェンジモデルと言う位置付けでした。実際に変更されたのはデザイン面がほとんどで、プリズムカバーの前面と上面にシボ革が貼られたことと、シャッターボタンの広い面積の指受け皿が標準装備されたことくらいしか変化はありません。細かく言えばシャッターダイアルが白ボディでも黒塗りのものになった程度で、セルフタイマーレバーのプラスチックのノブカバーは、FT EEでも後期のものには既にこれと同じものに取り替えられていました。見た目もほとんど変わらないですが、スペックもまるで変わっていませんので、ただ名前を変えた程度のモデルと言ってもおかしくないでしょう。

Petri FTE
 

 しかし、標準レンズはそれまでの55mm F2ないしF1.8から若干スペックを向上させたEE Auto C.C Petri 55mm F1.7が付けられることになり、鏡胴デザインも細かい目のゴムローレットが巻かれるようになりました。これに合わせて、ファインダー内情報も、左横の絞り値の文字が変更され、1.7 2 2.8 4 5.6 8 11 16となっていて、1.7と2の間が若干広がっています。その左側に定点測光位置の青い○マークが付いています。
 電池はFT EEと変わらず軍艦部向かって右側面に設けられた筒にSR44型1個を収めます。ペトリの一眼レフは皆そうでしたが、露出計のスイッチは巻き上げレバーをチャージした状態でONになります。撮影後にすぐに巻き上げて次の撮影に備える使い方では、電池を無駄に消耗してしまいますが、レンズキャップを付けて暗くしていると、CdSは電気をほとんど使うことはないので、それでもスイッチ代わりになってくれます。

 

Petri FTE B&M
 

PETRI FTE B&M

 ペトリは、FTEが登場した1年後の74年に、ブラックボディとマルチコーテッドレンズを備えたFTE B&Mと言う名のモデルを発売しました。このB&MのBはもちろんBlackのBで、MはMulti CoatedのMを指すのは明白です。黒仕上げはこれまでのモデルでも作られてきましたが、マルチコーティングされたレンズはこれまでもこれからもこのレンズ以外ペトリ自社では生産されませんでした(他社に発注していたレンズでは末期にいくつか見られます)。これが標準装備されたことが一番の変更点になります。
 この標準レンズは、EE Petri MC Lens 55mm F1.7と表記されていて、他のレンズのようなアンバー主体のコーティングではなく、正面から見るとマゼンタがはっきりしていて、上から覗くとMCロッコールのような緑色の反射に見え、奥の方はアンバーやシアンが見て取れます。ただし、全群でマルチコーティングされていた訳ではなく、前群の何枚かだけのもののようです。

 この他でFT EEとFTEの違いはシャッターボタンの指受け皿に隠れて見えませんが、シャッターボタン台座のリングが幅広のものに変更されています。しかし、Vシリーズと異なってボタン自体にレリーズ穴が設けられたタイプになっていることから、この台座のリングを外してカブセ式のレリーズをねじ込む必要がないため、固定されて外れません。その他の変更点はボディナンバーがホットシューの前にシボ革が貼られたことから、巻き戻しクランク横の軍艦部上面に移された程度の違いしか見られません。
 FTE B&Mに限らず、このシリーズを使ってみると、コンパクトながらも小さ過ぎないVシリーズ系のボディの大きさが具合良く、斜めシャッターは相変わらず押しやすいですが、さすがに針押さえ式のシャッター優先EE機ですから、ストロークが長くなって、押し込みも重くなります。それを改善させるべく、FTEから大きな指受け皿を標準装備して、重い感覚を和らげています。自動露出は高感度フィルムを使うと明るいところでは1/500秒・f16を超えてしまいますが、ISO100ないし400のものなら全く問題なく気楽に自動露出撮影が今でも可能です。ファインダーは他社の同年代のものと比べて、特別明るい訳ではないですが、マイクロプリズムでのピントの山がつかみやすく、結構見やすい部類に入ると思います。何も気にすることなく、外の天気の具合でシャッタースピードをある程度固定しておき、さらりと自動露出でスナップ撮影すると言う、気軽な使い方が良く似合うカメラだと思います。

 

carena SFL 2

 M42とOEMモデルのページに詳しく書きましたが、ペトリは74年頃から倒産する77年にかけて、大変多くの銘柄の同じボディを持つモデルを作って輸出していました。ただし、それらは皆FT IIのボディをPマウント化したものでした。これに対し、Vシリーズ系のボディを使ったOEMモデルもわずかに作られていました。現在分かっているのはペトリV6のネーム違いの「REVUE V6」と、FTEのOEMバージョンのこのカレナSFL 2の二種類です。カレナはリヒテンシュタインのカメラ総合商社で、自社ブランドで東ドイツや日本のカメラメーカーに発注して、安価なOEM機を自社ネームで発売していました。ドイツを中心としたヨーロッパ各国で販売されていて、このSFL 2はFTEのOEMモデルになります。

Carena SFL 2
 

 FT EEではなくFTEのOEMである根拠ですが、まずシャッターボタンの台座のリングが大きい点で、これはFTEになってからのものです。ただ、プリズムカバーの部分にシボ革は貼られていないので、ボディ番号をホットシューの前から移動させる必要がないため、従来の通りそこに刻まれているのはFT EEと同じです。フィルム室内印字は「75」となっていて、これまでの点から前を年数の後ろ一桁を、後ろが月を示すと考えると、77年5月になってしまい、これはFTEではなくM42機の頃になるので、既に大柄なカレナSRH 1001とMF-1のネーム違いのカレナ・マイクロ35がありましたから、この印字は単純に「75年」と考えるのが妥当かなと思いましたが、実はFTEは最後まで生産されていたらしく、カレナSFL2とSRH1001が76年のカタログに一緒に載っていたそうで、この印字はやはり77年5月と見るのが正しいようです。これ以外にも重要な根拠がありまして、標準レンズがCarenar EEB 55mm F1.7で、既に1.7レンズが装着されている点からも明らかですが、もうFT EEの頃からは離れるので、間違いなくFTEのOEM機になります。
 カレナのリーフレットを見ると、交換レンズも28mmから85-210mmまでのEE Petri C.C Autoレンズが名前を変えて「carenar EEB」と言う名の化粧リングをはめて販売されていました。EE以外のレンズは載っていませんでしたから、ペトリのスピゴットマウントのカレナール名のレンズは、これらEEBシリーズだけになると思われます。
 カレナは本当に様々なところのOEMモデルが存在し、マウントもかなりバラバラです。ペトリでもスピゴットマウントのタイプと、後のM42のタイプがあり、トプコンに発注していたものでもREマウント(EXマウント)とKマウントのものがあるように、カメラの種類毎に色々セットでその都度レンズも発売していたようです。

 

PHOKINA EE10

PHOKINA EE10

 こちらはフランスの写真用品商社の銘柄のPhokina名でリリースされたモデルで、FTEのOEMバージョンになります。Phokina向けにはM42マウントのモデルも供給していたようですが、何しろフランス国内向けに少数だけ販売されたものだけに、今となってはなかなかお目にかかれないでしょう。ペトリ@Wikiのメンバーで、長くペトリを研究している皆さんでも知らなかったナゾのブランドでした。このFTEベースのモデルの他に、M42マウントの末期のモデルSRH500のOEMモデルの「RX5」と言うタイプも画像で確認されていますが、他にもまだまだ見知らぬOEMモデルが出てきそうですね。ちなみにこのモデルはレンズも「PHOKINA EEB」となっています。

 

Petri FTE B&M EE Petri MC 55mm F1.7

 

作例「山頂」

PETRI FTE B&M EE Petri MC 55mm F1.7
シャッタースピード〜1/250秒 絞り〜Auto

 使用フィルムはフジカラー記録用100(G100と同じもの)で、ナニワカラーキットで現像後、EPSON GT-X980(フラットベッドスキャナー)で3600dpiで取り込んだものをPhotoshopで縮小し、アンシャープマスクを掛けていますが、スキャナーで取り込む際に自動で露出補正されていること以外は、カラーバランス等、一切手を着けていません。
 ペトリのレンズでは唯一のマルチコーティングされたもので、レンズ構成は従来の55mm F1.7と変わりはありませんが、やはりその効果はしっかり出ているのか、色合いは普通のC.C Autoより向上しています。ペトリのレンズは冷色系の色合いになるものが多く、このレンズもまたその傾向が見られます。しかし、現在のデジタルカメラのような色がことさら派手になることなく、質素な中にしっかりした色乗りがあるように見え、個人的に好みの描写を見せてくれます。シャープネスは四隅までしっかりしていて、コントラストも良好です。ペトリの標準レンズはどれも秀逸ですね。
 

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