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1953年、ジェノバのポルデノーネにあったAntonio Gatto氏の工場で生産されたソンネの最終型。当初、ファインダー部を取って付けたようなライカコピー機であるIV型(一番下の画像を参照)を生産していたのですが、ちょっとデザインに気を配ったV型、四角い窓を三つ並べたC型を経て、このC4型に発展します。C型までは軍艦部とファインダーブロックが別体の構造のままでしたが、このC4ではようやく一体成型になってますね。
ソンネの最大の特徴は、やっぱそのシャッターボタンとダイアル周りにありますなぁ。面白いことに、シャッターダイアルの中心部をくり抜くようにボタンが頭を覗かせています。何でわざわざこんなことしたのか、ちと理解に苦しむところですが、面白いことは確かです。ちょっとストロークは長めですが。
で、そのシャッターダイアルも変な格好をしていて、まるで円盤です。これがシャッターを切るとくるりと回転するのですから、うかつに触れようものなら、一発で変な色合いのネガができちゃうことになります。しかも後ろにあるスローシャッターも低速使用時には回るので、こりゃ気になるでしょうなあ。カシャリと同時にくるりくるりですから、何だかそわそわしちゃいますね。 |
シャッタースピードは平凡なB.1~1/1000秒の12段。平凡とは言いましたが、実は100→200→500とならず、100→150→250→500となってま。途中から倍数系列になるんだから、この点では変てこです。で、高速側はダイアルを引っ張り上げて回すのは普通と同じです。何だかみてくれは「おっ!」と思わせるものがありますが、実は普通なんですな~。
これに対し、後ろにあるスローダイアルは面白い仕組みでっせ。スローを使う時は、高速側のダイアルを何と「B」にセットします。そして、スローダイアルを回して任意の位置に合わせるんすが、その際「ジー」とセルフタイマーのような音がします。中途半端に回すと元に戻っちゃいます。で、スピードのマークのところで止めてシャッターを押すと、まず先幕が開き、次にこのダイアルが回り切ったところで最後に後幕が閉まる仕組みなんですな。ですんで、いちいちスピードをセットし直さないといけないのは面倒ですが、オモロイ仕組みです。これが軍艦部上に刻まれた「Pat.」なんでしょうなー。
巻き上げノブの横にある小さなボタンは巻き戻し用のロック解除ボタン。ちなみに下の後期モデルでは、これが巻き上げノブの後ろに移動して、レバー形のものになっています。このタイプではそのレバーに爪を引っ掛けて後ろに引き出せばフリーになります。前のV型ではライカ等と同じ切り替えレバーだったんですが、少しでも変えたかったんでしょうね。でも大した変更ではないですな。
ファインダーはこのC4から等倍の一眼式になりました。ビューファインダーは大きいので、「こりゃやってくれるぞ」と期待させてくれますが、接眼部が異常に小さくて眼鏡をかけているとケラレてしまって、端まで一度に見回せません。この画像では、接眼部がそれなりの大きさに四角く切り抜かれているように見えますが、実は中に枠があって、非常に狭くなっています。同じC4でも後期のモデルはここにファインダーアイピースのようなものが付いていて、見た目には更に小さくなっています。バカボンのパパ級の目が小さい人向きかな(←んなわきゃーない)。ちなみにファインダーは深く青味がかっていて、結構暗いっす。
このカメラの裏蓋は向かって右側にあるダイアル状のロックを解除して、蝶番式に開くようになってます。これはペルセオも同じでしたが、やはりバルナック風の底蓋外し型より数段使い勝手がいいですね。巻き上げはノブを引き出して行いますが、これが結構出てきますんで、一瞬「スプールを解除しちゃったか?」と思っちまいますが、ちゃんと歯はかみ合っています。で、さらに引っ張り出すとスプールが解除されるんですが、何だかビテッサの巻き上げ用ボタンのようにビョ~ンと伸びてきます。 |
ところで、右の画像のカメラには、太陽のマークが正面に彫り込まれていますが、ほとんどのモデルは何も彫られていません。でも、何もないとそっけないので、やっぱあった方がいいですね。ちなみに『クラカメ専科』No.43では太陽マークがあるタイプのみ「特許イタリー」と刻まれていて、それ以外は「特許ジャーマニー」となっていると書かれていましたが、ワテの太陽マークのないものには「Pat.Made in Italy」となっています。
もう一つ、その『専科』ではアクセサリーシューの大きさがゾンネ専用のサイズであるとなっていましたが、これも別段他のものと変わりません。ひょっとしたら、この部分も後期型では変更されたのかなあ。でも、わざわざ汎用のものを使えないようにするかなぁ。ちとナゾですね。 |

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さらにもう一つ疑問に思ったのですが、このカメラはちょっと特徴はあるけれど、基本的にはL39のライカスクリューマウントなので、他のレンズが使えることが書かれていて、そこではトプコールの9cm f3.5が問題なく作動したそうです。でも、ワテが自分のトプコール9cmを付けてみましたが、レンズをねじ込んで行って止まる位置が、レオタックスなどとは若干異なり、ちょっと奥まで行ってしまい、レンズの距離合わせ用のカムがボディの距離計のコロの位置と若干合いません。手元にある2本のトプコール9cmで試しましたが、両方ダメっす。逆に、一部だけ切り欠きがあって、その内側にコロを押すヘリコイドのエッジの部分があるトプコールの35mmは、クリスタルやヴェガではコロの位置とこの切り欠きの位置が合わず使えませんでしたが、ソンネでは使えました。何だか微妙っすね~。
なお、正面のスローシャッターダイアル風のものは、シンクロの切り替え用のものです。レオタックスFのものはセルフタイマー風でしたが、これはスローシャッター風。紛らわしいぞ~!
【追記】Lマウントトプコール9cmレンズが作動しなかった理由は、このカメラの距離計のコロに厚みがなく、うまく鏡胴の末端のカムにコロが当たっていないだけでした。ちょっと矯正してやったら問題なく作動しまして、またまた「ビミョ~」を感じちゃいました(^^)。 |
The final model of the Sonne series that was produced in the factory of Mr. Gatto Antonio which was in Pordenone of Genoa in 1953. At the beginning (in 1948), they were producing the reference the type "IV" that was the Leica copy model of a square finder cover. The type "V" that appeared on the next stage ('50) was equipped with a slow shutter. Furthermore, the type "C" that equipped with the wide angle finder was produced in '51-'52.
By the way, the slow shutter of this Sonne C4 operates with a very interesting system. The dial that surrounds the shutter button is for a high speed shutter. The small dial that is in the back is for a slow shutter. When use this slow shutter, the high speed dial must be combined to "B". Next, turning a small dial and select a slow shutter number. Pushing the shutter button, then the governor like the self-timer operates. It is the time when slow shutter operates while the governor is operating. Even this small dial turns and returns simultaneously. It is a very interesting system, but will not handy.
The loading of film is easy, because the back cover opens with the hinge. Yet, the experience is necessary when hang film on the spool. |