FOTOCAMERE ITALIANE-RECTAFLEX

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Rectafleximage300.jpg Rectaflexlogo.gif

レクタフレックス1300 シュナイダー クセノン50mm f2 / レクタフレックス1000 アンジェニュー50mm f2.9
RECTAFREX series 25000 Schnaider Xenon 5cm f2 / RECTAFLEX series B.2000 P.ANGENIEUX TYPE Z2 50mm f2.9

Rectaflex.jpg  これまで49年のコンタックスSに続いて50年にアルパフレックスとともに登場した最初期のプリズム搭載一眼レフとされてましたが、実は発表は47年で、48年には生産が開始されたと言われ、そうするとこれまで一般に言われていた生産年度が崩れることになりますが、実際はコンタックスSとほとんど同時に48年に市場に登場したようです。
 レクタフレックスはおイタさんですが、レンズはこのカメラの場合ドイツ製のシュナイダーが付いてます。交換レンズではキルフィットのものやフランス製のアンジェニューのものも多いです。
 専用のフードを付けるとプリセット絞りになるところが小粋。ちなみに、このフードは深さも若干変更できるようになっているんですよ。
 ファインダーは固定で、その四角いペンタプリズムカバーは多かれ少なかれトプコンREスーパーのデザインに影響を与えたことは間違いないっしょ。
 焦点板にはデュオ・プリズムとメーカーで呼んでいた、後のスプリットイメージの草分けのようなものが斜めに入っていて、ここを通る直線が、焦点の合っていない時は屈折するようになりまして、ピント合わせを楽にしてます。と言ってもやっぱ合わせ辛いけど…。
 ミラーはシャッターボタンと連動して上下するタイプ。シャッターのショックはライカよりも穏やかなほどで、一眼レフとはとても思えないっすが、構造上ミラーショックがないのだから、それも当然のことかもしれませんね。シャッタースピードはB.1〜1/1300秒で、回転する高速シャッターと、固定された低速シャッターの一軸二盤式。スロー側は軍艦部背面にわずかに突出したギアを回して調整します。巻上げは左巻き(アフォ巻き)でありますよ。
 裏蓋はニコンFなどと同じように底蓋とともにすっぽり外れるタイプで、使い勝手は良好です。
 こちらは結構早期のB.2000で、プロトタイプのMOD.947、48年販売のスタンダード947、同年のスタンダードA.1000、49年のスタンダードB.2000に続きます。この後スタンダードシリーズはB.3000、B.4000を経てB.16000から巻き戻しノブの基部にフィルムインジケーターが付くようになるんですな。で1/1000秒のモデルは次の20000B(51年)で終了。52年からはいよいよ25000Bになって1/1300秒モデルになります。後は25000と30000のシリーズでレクタフレックス1300も終了します。複雑〜。 RectaflexB2000.jpg
2RectaflexBack.jpg  簡単に分類すると、B.2000までの初期のシリーズが同じボディダイキャストを使っていて、左のように底の部分がフィルムマガジン側も張り出していますでしょ? B.3000からは最後までここが張り出してないタイプが使われたんですよ。まあ、「別にぃ〜」と言われりゃそれまでの違いなんすが。でも、結構細部も使われているものが異なって、見比べているだけでもなかなかオモロイっす。ボディラインも、特にプリズムカバーに顕著に現れてるんですが、B.2000の方が後のモデルに比べ角が丸く仕上られているんですよ。

 その他のバリエーションとしてレクタフレックスB.16000の頃に、スロースピードと1/1000秒を省いた廉価版のジュニアが併売されました。正面のロゴの下に「Junior」の文字が入っていて、なかなかいい感じです。
 右の何やらいかついやつは、三本のレンズがあらかじめ回転する板に付けられたローターというモデルです。このレンズは任意の三本を取り付けることができますが、回転する円盤部自体はカメラに固定されちゃって、取り外すことはできません。ま、考えてみると、フランジバック自体は変わらないのですから、この円盤の厚みだけボディに埋め込まないとレンズが使えなくなっちゃいますもんね。一見すると「おお〜、スゲー!」とうなるようなガタイですが、とても使えたモンではないっすね。重さとか使い勝手以前に、実際これを持って外で写真を撮る勇気はワテにはごじゃいません。
RectaflexBlack.jpg
 その他、上のようなブラックボディや金ぴかお金持ち仕様もわずかですが作られました。
RectaflexRotor.jpg
RectaflexRotor2.jpg
RectaflexLiechtenstein.jpg  後期になりますと、プリズムカバーが三角になったリヒテンシュタイン製のモデルも見られます(シリーズ40000)。でも、はっきし言って、三角デザインの頭はこのカメラには違和感たっぷしです。個人的にはカッチョ悪いと思ってます。やっぱレクタフレックスは平らなてっぺんが売りだと思うんですがねぇ。また、ジュニアの頃から変更されていたシャッターボタンも何だかきのこみたいで、この点もちびっとデザインは後退しちゃってるような気がしないでもないと感じることもあるかもしれません。(←結局どうなんじゃ〜)
 レクタフレックスの交換レンズは豊富でして、SOM BerthiotやAngenieuxの28mmからKilfittの600mmまで揃っています。その中にはツァイスのものやガリレオのものなども見られ、実に多彩です。
 ところで、レクタフレックスには全体としてイタリアの美しい工芸品といった風格がございまして、ドイツ製とは違った装飾的な面も見られます。どの人の意見を聞いても最高のイタリアンカメラを挙げろと言われれば、正統派路線で答える限り(パッパラな答えは聞かないの)、多分このレクタフレックスに答えが集中するでしょうね。

The image proffer: Mr.Marco Antonetto

Rectalogo.gif Directorimage300.jpg

レクタ イスコ ウェスターC 50mm f3.5
RECTAFREX ISCO Westar C 5cm f3.5

RECTA.jpg  皆さんご存知でした? レクタフレックスもレンジファインダーを作っていたんですよ。その名もレクタ(←フレックスを取っただけやんけー)。しかし、あのドデカいボディでライカマウントのカメラを作っちゃうのですから、いやーそりゃもう豪快です。一応距離計も備わっていて、巻き戻しノブ側に見られる丸窓がそれです。しかし分からんのが、フレックスでせっかくスローをシャッターダイアル基部に埋め込んだのに、これでは前面に出しています。改悪? でもカッチョいいから許しちゃう〜。
 このカメラは53年に登場したそうですが、1年ももたずにこっそりと消えてしまい、生産台数は100台にも満たないそうです。まあ、歴史上最も大きいレンジファインダーカメラじゃ、それも仕方ないっすね。なんでももし仮に売り物として出てきたら、7000ユーロを軽く超える値段だとか…。はぁ〜。

ディレクトール 35 アンジェニュー 50mm f2.8
DIRECTOR 35 ANGENIEUX 50mm f2.8

 こりゃまた強烈なカメラですが、レクタフレックスで最初に企画されたレンジファインダーがこのディレクトール35で、サイズは24X34という中途半端なものです。レクタフレックスのボディを原型に、できるだけ切り詰めようとした結果ですが、もう一つ、真っ直ぐな金属板シャッターがその原因を生み出しています。まあ、元が大き過ぎるので、あまり小さくはなってませんね。 DIRECTOR.JPG
 それにしてもこのファインダーはパテントを取ったそうなのですが、一体何がどう特許なのかサッパシ分かりません。
 裏蓋はガンマの影響をモロに受けていて、左右のふくらみの部分もすっぽりと抜けちゃいます。でもこのふくらみはガンマとは違ってフィルム室の出っ張りです。面白いことに、6X6のハッセルやブロニカのフィルムマガジンのように、フィルムをコの字に曲げる形で取り付けます。ですんで、フィルムのレールはメッチャ長いっすが、これは金属板のシャッター幕を曲げないでそのまま使っているからなんですね。ガンマは幕にカーブを付けてその逃げをボディ前面に作ったけど、こっちはフィルムを折り曲げて装着して幕のラインを真っ直ぐキープした訳です。逆転の発想ですが、結局は一種のマネっこさんですな。
 結局はこのカメラも事実上試作品で終わりまして、総生産台数は10台以下なのだそうです。一生ワテの手元には来ないカメラの一つでしょうが、是非とも実物を手にとっていじってみたいカメラですね。ふぅ〜。

The image proffer: Mr.Marco Antonetto

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