FOTOCAMERE ITALIANE-ISO
イーゾ ドゥプレックス イぺラング 25mm f6.3 / ドゥプレックス・スーパー イリアー 35mm f3.5 |
|
実はこれまでステレオカメラにはちーっとも興味がなかったんす。だって、普通に鑑賞できないしぃ、魅力あるメーカーから出ていないしぃ、ちょっとどうかなーと思っていたんですぅ。でも、天下のイーゾから出ていたとあっちゃぁ、こりゃ逝かないとイカンでしょ。ちゅー訳で、しばし探しておりました。でも、これ、機構が単純な割に結構気合の入った値付けのものが多く、「その値段じゃぁビミョー」と思ってたんですよ。で、あるイタリーのショップから出ていて300ユーロでどうでっか?となったものの、今ユーロは約140円。結局これも面倒だなーと思っていた矢先、国内でそれくらいの値段で出てきたんですよ。実際は500ユーロくらいが相場ですんで、むっひょひょーとなった訳です。 | |
で、Duplex Superは56年に発売されましたが、同じ年に廉価版のただのDuplexが登場しとりま。それは25mm f6.3の固定焦点のしょぼいレンズが付いていて、絞りはf16までの4段階、シャッターもエバーセットのギロチン君でバルブ以外は1/25〜1/100秒のたった3速ですから、もうべんちーに君レベルに近いものでやんす。でも、このスーパーは名前の通り色々なところが改善されていて、全然ちゃうものに仕上がっています。んだば、変更点を次に列挙してみますよん。 | |
1.レンズが35mm f3.5になり、目測だけれどフォーカシング可能に変更。 2.シャッターが二枚羽根の横走りギロチン式になり、B.1/10〜1/200秒に(チャージが必要)。シャッターボタンも設けられた。 3.絞りがf3.5〜f22の7段階に。 4.シャッターをチャージしても巻き上げないとボタンがロックされる二重撮り防止機構が加わる。 5.二重撮り防止のロック解除レバーにより、一枚撮りも選択可能。 |
|
6.シンクロ接点がM/Xの二つになり、位置が向かって右横に移動。 とまあ、これだけ変更してくれたらもう充分かと思われ。でも、120フィルムを縦送りして、左右に分割して23.5X24の画像を写すことや、2枚の裏窓で(赤窓ではないっす)確認しながらフィルム送りをするように、自動巻き止めになっていないことなど、基本的機能は変わってないんですな。まあ、このカメラ35mmコンパクトカメラ並の大きさなんで、こりゃぁしゃーないでしょう。このような変更から、見た目の雰囲気も結構変わってまして、具体的に申しますと左のスタンダードモデルと右のスーパーではやはりフォーカシングの機構の有無で、随分メカニカルな印象が違いますでしょ? また、スーパーのファインダー下に付いたシャッターチャージレバーもメカニカル度をアップさせている要因でしょう。実際はかえって面倒なんですがね。 |
|
ところで、ここでご紹介したドゥプレックス・スーパーは58年に発売されたモデルでして、先に書いた二重撮り防止機構はこの後期モデルから加わったんすよ。向かって左側面のレバーはこれを解除するもので、1枚撮りを選択できるようにしてるんです。でも、この1枚撮りって、シャッターが両方とも切れちゃうので、「?」と思っちゃうでしょうが、ただ片方のレンズにキャップをはめておいて1枚撮って、巻き上げずに逆のレンズにキャップをしてもう1枚撮るだけ。まあ、二重撮り防止になってるんで、巻き上げないとシャッターが落ちないんですが、それが解除されるだけなんですわい。 それにしても、「レポーター」が高価で売れなかったからと言って、いきなりこんなステレオカメラを作っちゃうイーゾも大したもんです。何でもっと一般的で庶民的なカメラに走らなかったのかナゾは深まるばかりですが、上のビュアー以外にも近接撮影アダプターやカッターなども用意されていて、システムもとりあえず充分。ステレオカメラとしてはなかなかの機構を持った出来栄えのいいカメラでっせ。 |