FOTOCAMERE ITALIANE - Filotecnica

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由緒正しいメーカーです Filotecnicatitle.jpg

ラ・フィロテクニカ・サルモイラーギ S.p.A. グランツ・モデル30 Rettolineare 135mm f8
La Filotecnica Salmoiraghi S.p.A. Glunz Mod.30 Rettolineare 135mm f8

正面も堂々としてます

 今世紀初頭からカメラを作り始めていたイタリアでも最古の部類に入るメーカーがミラノのサルモイラーギですが、戦前は様々なモデルを生産していました。当時はまだ乾板写真も残り、フィルムカメラもやっとロールフィルムに移ろうかと言う頃で、一般にはシートフィルムの時代でした。フィルムの性能の問題か、焼付けもベタ焼きが多く、ですから大型カメラがもてはやされたんですね。ライカなどの35mmシネフィルムを使うカメラがようやく登場しますが、これは後の16mmやミノックス判のような目で、当時のカメラマンには移ったことでしょう。まあ、とにかくロールフィルムは試行錯誤の時代でしたから、各社から色々なサイズのものが売られていたんですね。このフィロテクニカのモデル30も、ちょっと変わった113と言うロールフィルムを使うんです。
 画面サイズは9x12で、かなり迫力があります。でも、こんなに大きいと、フィルムの平面性の問題が生じますが、そこらへんは気にしていたら写真は撮れません、と言う時代です。何しろボディ本体は木製ですからねぇ。ですんで、その大きさの割に、手にした時は妙に軽かったので、拍子抜けしましたが、軽量化するなら木はアルミより有効ですな。
 で、そのボディサイズですが蛇腹を畳んだ状態で、縦215x横127x奥行き47mmです。最近見かけなくなった「ドカベン」サイズとでも言いましょうか、明らかに120フィルムのカメラとはその大きさが異なります。

古いカメラなんですよねー

ロールフィルムカメラですが…

 このカメラは1932年に売られていたシートフィルム用のグランツ・モデル3のロールフィルムバージョンなんですが、フィルムの出し入れはとても凝っていて、下の画像の右側の支点のように、爪を外に向けて回転させると、支点の棒が中に引っ込むんですよー。ボディは木製なのに上手くやってます。
 裏蓋はボディの左右(ちゅうか上下?)にある三日月形のへこみにある爪を押してそのまま抜き取ります。裏蓋のさらに後ろにはピント確認用かシートフィルムホルダー用か、スライドさせて外れる板が挟まっています。普段はここに付いた赤窓を利用してフィルム送りをします。左の画像の右下にあるカバーをスライドさせればOK。
 フィルム巻き上げは上の画像の上部の折り畳まれたノブを反時計回りに回すだけ。一応逆回りはしないように作られていますが、何しろ本体が木製ゆえ、ちょっと力を入れて逆に回せば、「ギュギュギュ〜バキッ! スイ〜」っと回っちゃいそうでコワいっす。ボディにくっ付けられたシボ革の質は実に良好で、もう80年近く前のものなのに、とってもしっかりしてます。 木製でも工夫が!

反射ファインダーも自然に折り畳まれます
閉じればスッキリ

 前蓋を開く時は、ボディ側面のメーカーのネームプレート(円形)のすぐ横にあるイボのような膨らみを押せばロック解除される。ここは何度も押されるところであり、かつ、シボ革で覆われている訳だから、ここが未だに普通に使えるのはスンゴいことだと、妙に感心しちゃいました。
 引き出したレンズユニットは他の蛇腹カメラと同じ操作法になります。レンズは2群2枚か4枚かは分かりませんが、前後が対象になるタイプ。「レットリネアーレ」と言う名の135mmレンズですが。中に初めから円形の切り欠きがあって、f8以上に絞りが開かないようになってます。その他はf11・22・45で計4絞りがプリントされてますが、もちろん中間絞りも使えます。これに対し、シャッターは「VARIO」と刻印のあるエバーセット式で、B.T、1/20・1/50・1/100秒の事実上4段階の単純なもの。向かってレンズ左上のレバーを下ろせばいつでもシャッターが切れちゃいます。
 ファインダーはこの手のカメラの常道の反射式。すぐ隣に水準器が付いてますが、確かに小さな反射式ファインダーは平衡感覚がなくなっちゃいそうですから、これは有り難いかも。
 ピント合わせは回転式のノブでレンズユニットを前後させるのではなく、引き出しの際に使うレールのストッパーになるツマミを挟んで前後させるだけ。レールの先端に近いところに距離目盛が刻んでありまして、ここにレンズ側の針を合わせます。もちろん距離計はないので目測です。最短撮影距離は1mになってますが、ストッパーを距離目盛側に倒すと、∞でストップ。反対に倒すとそれ以上レンズユニットがレール先端まで進み、最短撮影距離目盛の1mを大幅に超えたところに達します。ここにもう一つ目盛りがありますが、ここが何cmのピント位置なのかは分かりません。
 ファインダーと反対側のノブは、レンズユニットの位置を上下させるもので、ライジングとフォーリング以外はできません。シフトやティルト・スウィングを力業でできないこともありません(笑。その代わり、二度と使えなくなります(^^)

今はなきサイズのロールフィルム…
120では到底ダメ

 右上の画像は120フィルムの箱と大きさを比べたものですが、箱から出した120フィルムはさらに小さいですよ。反面この113と言うフィルムの大きさが分かりますでしょ? ちなみに、このスプールの軸は木製ですが、両端の金属部分には「Ferrania」の刻印が入ってました。何とか工夫して使ってやりたいですね。

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