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「ドルルルル…」
「おっ、二気筒だね。でも、ハーレーみたいにドルン、ドルンって感じじゃないし、W1みたいにドドドドともいってないし、一体なんだろ？」
「あれかい？ あれはドカティっつうイタリアンバイクだぜ。」
「おお〜、かっちょええなー。じゃあ、あれがLツインエンジンかー。」
「そーよ、いいだろぅ？ でも、Lマウントじゃないぜ？」
「そーよじゃなくてソーニョだろがぁ。分かってるよ、専用バヨネットマウントだっちゅーことくらい。」
こいつら何の話をしてるのよと思われるでっしゃろが、ドゥカーティはカメラもバイクも作ってたから、彼らのように混乱するんですね。（←しないしない） |
で、ここでご紹介するソーニョというカメラは1948年製のミニチュアカメラで、135フィルムを専用の小さなマガジンに詰め、18x24の15枚撮りにしてま。おかげでサイズは55x100x33mm（縦x横x奥行き-レンズ沈胴時）と、ガミ16よりも小さくなってるのは驚きですなぁ。それでいてフォーカルプレーンシャッターと距離計を備えているんですから、モロ縮小版ライカって感じ。作りもちっこいくせにどっしりとしていて、持った瞬間「撮ってみてぇ〜」という気になること間違いなし。
スペックを簡単に述べておきますと、シャッターはB.1/20〜1/500秒の全6速。幕が固定スリットゆえ、速いスピードでは巻き上げの際にかなりのテンションがかかっちまいます。一旦1/500秒でシャッターをチャージした後でシャッターダイアルを回すと、引き伸ばされたシャッター幕の回転ドラムのスプリングに引っ張られて勝手にダイアルが回っちまいます。ちなみにダイアルは不回転式で、変更はちょっとつまみ上げて行います。
シャッターダイアルの基部に付いているレバーは距離計側の視度補正用。分解してみたら、接眼部のちょっと手前に筒があり、そこにスリットが空いていんですが、ダイアルの方から伸びるアームがここに入り込んでいて、それを前後させることで視度を変更する仕組みでした。そのアームを前後させるためにこのレバーの基部のリングがカムになってる訳。よく考えたもんです。 |
| ファインダーは倍率0.5倍に至らない小さなビューファインダーと、1.5倍ほどの倍率と26mmの基線長の二眼式距離計からなりますが、いやあ、しかし窓がちっこい。ハーフ判なのでビューファインダーは縦形ですが、違和感はないっす。結構手の込んだ作りで、安直なミラーを使った距離計ではなく、細長いプリズムを左右に伸ばして、途中、横切る形でビューファインダーの光路を設けてるんですな、コレが。しかし、清掃してたら距離計の像の縦位置が左右でズレちゃったんですが、修正用の仕掛けがないんで、えれー困りましたが、どうやら向かって右側の窓の直後に付く、マウントのコロからアームで直結されたレンズの位置をズラしたら良いみたいで、0.1mmほど動かしたら直りましたわい。ビミョ〜。 |
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マウントはバヨネットで、正面左にあるボタンを押してレンズを反時計回りに回すと外れます。中を覗くと観音開きの扉が付いていて、これがないと固定スリットだから、シャッターチャージの際にモロ出し状態になっちゃいます。バルブシャッターでは先幕というか前幕だけが進んで、シャッターボタンから指を離して扉を閉じて遮光した状態がシャッターを切ったような感じになります。ただの遮光板という訳でもないんですね。
フィルムマガジンは、そうねえ、普通の35mm判のスプールの芯位の厚みのもので、15枚撮りになります。で、フィルムカウンターは巻き上げノブに位置を表す線が、軍艦部の右側の肩にコマ数が刻まれているんですよ。 |
そうそう、そのノブですが、向かって右が巻き上げノブで、左が巻き戻しノブでして、通常とは反対です。でもって、シャッターボタンも正面右に付いていて、エキザクタみたいです。あ、そう言えばガミも向かって右にあったなー。ナゼでっしゃろ？
交換レンズやアクセサリーはたっぷりとあって、サブミニチュアのくせに立派なものです。かえって、クリスタルやヴェガなどの35mmカメラよりも充実してま。しかーし、今買おうとしてもこれがまたタケーんですわい。ちっこいくせに、価格という自己主張はえらくはっきりしたカメラですなぁ。 |
The image proffer: Mr.Marco Antonetto
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