FOTOCAMERE ITALIANE-Condor

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コンドール II エザオーグ5cm f2
Condor II ESAOG 5cm f2

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 1953年、オフィチーネ・ガリレオで製作されて、イタリア最大のフィルムメーカー、フェラーニア社から発売されたレンジファインダー機っす。ガリレオっちゅーたら精巧なミニカメラ、ガミ16ばっかし有名ですが、実はニコンのように堅実な光学メーカーでして、各社にレンズを供給してました。
 距離計は一眼式の、比較的有効基線長の長いものが使われてまして、焦点合わせは楽ですが、ファインダー自体は緑色で暗いのが玉に傷なんすよ。しかも、ガリレオのカメラはここが弱点で、ハーフミラーが劣化気味のものが多いんですなぁ。
 このカメラの最も特徴的な部分は、レンズシャッターが使われているにもかかわらず、沈胴式の鏡胴を持つ点ですね。セルフコッキング化するにあたってかなりメンドーな連携を余儀なくされましたが、うまく処理してます。一般的な沈胴レンズとちゃいまして、鏡胴を引き出して一旦止まるところから更に「フンッ」と力を加えて引っ張り、クリックが効いたところが所定の位置になります。シャッターロックも兼ねています。立派でしょ? でもこの「フンッ」が意外と大変なんだけどね。 CondorII.jpg
CondorII2.jpg  巻き上げはレバー式で、何とたった100度程度で巻き上げとシャッターチャージが行われちゃったりします。まあ、かなり巻き上げトルクは重いっすが、遊星ギアを用いて分割巻き上げができるようになっているのは、レンズシャッター機では非常に珍しいでしょ。フィルム巻き戻しもノブ式ではなくクランク式で、この点でライカM3に先んじてます(エッヘン)。でも、巻き上げるトルクはやはりちと重いっす。
 レンズはエザオーグ5cm f2で、イタリアのカメラではあまり見られないガウス型の明るいレンズが備えられています。う〜ん、しびれるー。そのため、周囲に膨らむイスカス・ラピッドシャッターも含めて、かなり鏡胴が大きく見えちゃいます。でも、絞りとシャッタースピードダイアルはスマートに収められてます。
 ボディの大きさはバルナックライカよりも横幅が狭く、逆に高さは若干高くなってます。重量は小さい割にずっしりと重く、大きさや重さは丁度トプコン35Bと同じ位でして、思えば両者とも同じ頃作られ、奇しくも見た目にも良く似た感じに仕上られているんですよね。
 カウンターは軍艦部の中に設けられていて、レンズの基部の上にあるギアで合わせるんですが、指掛りが悪く使いづらいんです。爪を伸ばしましょう。
 さすがにイタリアの老舗の光学メーカーが最も力を注いだ35mmカメラでして、その作りは非常に精巧でしっかりしてます。しかし、オフィチーネ・ガリレオはフェラーニア社との折り合いが悪く、結局55年にはカメラの生産から撤退してしまいました。こんなに優れた生産技術を持ちながら、実に惜しい気がしますが、やっぱし営業面も上手くなければ生き残れないのはどの国でもおんなじですねぇ。な〜む〜。

This camera is the range finder model that was produced with the Officine Galileo in 1953 and was launched from the Italian biggest film maker Ferrania company. The Officine Galileo is famous as the production company of the GaMi 16 camera which is an elaborate subminiture camera, but they were a reliable optic maker actually, and was supplying many lenses to each company.
This camera is a small size, but litle heavy. The film is wound up by the lever, this system was adopted earlier than the Leica M3. The name of the lens is "Esaog" F=1:2. This is a very highly efficient lens and we feel the height of the technology of the Officine Galileo.
However, the relations of the Officine Galileo and the Ferrania company were bad, they stopped the production of cameras in 55 after all.

コンドール I (カンドーグ I)エリオーグ5cm f3.5 / f2.8
Condor I (Candog I) ELIOG 5cm f3.5 / f2.8

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 こちらは1947年にデビューしたコンドールI型。やはりレンズシャッター機でありますが、よりライカっぽい顔立ちですねえ。でも、何かちょいと物足りない感じがしますよね? もちろんレンズシャッターですから、シャッターダイアルが軍艦部にないのはそりゃ当然ですが、よく見るとアクセサリーシューが付いていない。このあたりがなんだかきなこ餅の角を感じさせるようで微笑ましいところです。モチモチっとしてます。
 で、レンズはエリオーグ5cm f3.5で、ボディともどもオフィチーネ・ガリレオ製のです。テッサー型の平凡なレンズですが、さすがはガリレオです。戦後間もないものではありますが、しっかりとシアン系のコーティングが施されています。
 鏡胴はコンドールIIとは異なって、ただ直進させるだけではなく、ちょっとだけ時計回り方向に回して固定させます。セルフコッキングになっていないので、これが可能だったんでしょうね。

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CondorIc.jpg  シャッターはイスカス・ラピッドで、B.1〜1/500秒。前述の通り、チャージは巻き上げとは別に単独で行います。セルフタイマーは付いていません。絞りはf3.5からf25までの大陸絞りで、f12.5とかf9とか中途半端なものですので、何だか使いづらいです。まあ、これはガンマも同じなんで、なんとなくこの辺かなといったノリで使っちゃいますがね。

 このカメラの大きな特徴とも言えるのが、正面から見て巻き戻しノブの下に見える、軍艦部に埋め込まれたダイアルです。これは実は距離計の側の視度補正用ダイアルで、-3から+3位まではカバーしてます。この機能はナゼかコンドールII型では省かれちゃいました。もったいない…。で、この視度補正機構はコの字型に曲がったアームの端に歯を刻み、そこにダイアルの歯を噛み合わせて距離計のレンズを前後させているんですが、上手に出来てまっせ〜。

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 カウンターもまた面白いところにあって、何と底蓋に埋め込まれていたりします。ふと見ると、CdS用の電池ボックスの蓋かなと思えるようなデザインで、周囲にギザギザが刻み込まれたダイアルを指で回して適当な位置に合わせるようになっているんですな。こんなところにあるのはちょっと珍ですが、デザイン上はいいかも。見づらいことは言うまでもありません。

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 ところで、コンドールには色々なモデルがあって、当初フェラーニアから発売されたもの(左下)にはファインダーの横にオフィチーネ・ガリレオのマークが付いていて「あくまでフェラーニアが作ったのではないのよ〜」と主張していたみたいでしたが、右上のモデルではそれが消えちゃってま。吊り環のアイレットとシンクロ接点が付いて、シャッターボタンにもレリーズ穴が開きましたね。で、右下のモデルは同じ頃「何でオレたちが作ったのにネームを入れちゃイカンのじゃい」と思ったかどうかは分かりませぬが、逆にフェラーニアの名を消して自分のところの販売ルートで売りに出したやつです。そうすると今度はフェラーニアが「ゴルァ! コンドールはうちのカメラの名ではねーのかよ!」と怒ったかどうかは知りませぬが、名前を「カンドーグ」にしたのが右上のモデルっす。せっかくだからバージョンアップしちゃえっちゅうことで、レンズがf3.5からf2.8に、シャッターもISCUSからAPLONになっています。見た目にあんまし変わらんけど、故障率はかなり減ったみたいです。
 ま、こんな具合に、ガリレオ社には当初販売ルートがなかったので、フェラーニア社を通じてこのカメラを市場に送り込みましたが、作りはさすがにガリレオ製品だけあって、他のイタリー製品と異なって、デザインだけでなく機能的にもなかなかのものを見せてますよ。このカメラはレンズシャッター機ゆえに現在ではそこそこ安いっすが、意外とお勧めカメラかも。

コンドレッタ テーログ 4cm f4
Condoretta TEROG 4cm f4

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 47年のコンドールI、それから距離計を省いた50年のコンドール・ジュニアを経て、より一層機構を単純化して51年に発売されたのがこのコンドレッタっす。各社とも、ファミリーカメラには、例えば「キヤノネット」「トプコネット」「レチネッテ」など「〜ette」というしっぽが付きますが、このカメラはイタカメゆえ、末尾が「a」なんですな。なかなかいいぞチミ! で、これは小さい意味を表す「rette」から来ているんですが、I型と大きさは変わらんです。
 さて、コンドールI型とどこがちゃうのかと言いますと、やっぱメインになるのはレンズと鏡胴回りですな。廉価版らしくレンズがテッサー型のエリオーグから3枚玉のテーログになってますが、焦点距離が40mmになったのはこの手のカメラではかえっていいかも。距離計がないのだから、広角気味なのはある意味必須かもしれませんからね。で、小さいレンズのため、エリオーグを沈胴させたままの厚味しかないので、鏡胴は固定されてま。

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 シャッターも廉価版のAPLONに変わってますが、1/500秒が省かれただけで、B.1〜1/300秒まで全9速を備える立派なものなんですよ。この辺が高級機メーカー、オフィチーネ・ガリレオですな。廉価版でも手を抜きません。ベンチーニと比べてはいけません。ただし、I型もそうですが、セルフコッキングではないので、巻上げ&シャッターチャージは別々に行うことになります。
 んでもって背面はこんな感じ。随分シンプルでしょ? 何だか妙に無骨な感じがしないでもないですが、さすがはイタリアーノ。接眼部のちょっとした装飾は粋ですね。上記の2モデルもそうでしたが、シボ革にしっかりとネームを入れているところもナイスです。でも、クロスター・スポルトのような、アルミ削り出しの軍艦部みたいで、やっぱ90゜の角度と直線での構成はチトねぇ。

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